IPO銘柄に投資することが、なぜテンバガーへの近道なのか(写真:イメージマート)
5年8か月で運用資産561万円を10億円に増やした兼業投資家、テンバガー投資家X氏が10年以上にわたる失敗続きの投資から脱して「億り人」になれたきっかけは、「IPO(新規公開株)セカンダリー投資」という投資手法に出会ったことだったという。IPOセカンダリー投資で10倍株も達成している同氏がIPO銘柄の投資妙味について解説する。
テンバガー投資家X氏が仕事やプライベートで忙しい投資家でも株式投資で成果を上げられる手法を説いた著書『トイレスマホで「無限10倍株」3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成して紹介する。
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そもそもなぜ、IPO銘柄に投資することが、テンバガーへの近道なのでしょうか。
企業が生まれてから、上場するまでにかかる時間はまちまちであり、設立からわずか数年でIPOしてくる企業もあれば、何十年も非上場で営業してきた企業がIPOしてくる例もあります。いずれのケースでも共通しているのは、上場を契機にさらなる飛躍が期待できる点です。
企業にとって上場は決して簡単なことではなく、東京証券取引所が定める厳しい基準をクリアする必要があります。健全かつ安定的な事業を営んでいることは当然にしても、上場企業にふさわしいガバナンス体制が整備され、機能していることが求められます。
上場の準備には多額の費用と短くても3年程度の期間が必要です。上場してくる企業は相応の時間と費用をかけて、投資家に評価されるようなビジネスモデルと成長ストーリーを描き、企業成長の基盤となる経営とガバナンス体制を整えてくるというわけです。
そこまでするのは、上場には大きなメリットがあるからです。第一に、上場することで返還する必要のない多額の資金を調達することができます。それまでは資金不足で踏み切れなかった投資に打って出たり、人材を採用したりできるので、それを強力な業績成長のドライバーにできる可能性が高いのです。金融機関の評価や信用度もアップするので、融資を受ける時のハードルも下がり、上場後も資金調達がしやすくなります。