外国人との共存はどうあるべきか(写真はイメージ/時事通信フォト)
昨年、日本人人口は90万8574人も減少した。とりわけ「東京一極集中」の対極にある地方の人口減少は、さらに加速する一方だ。人手不足がますます深刻になっている中で、「外国人の大規模受け入れ」に期待する声は大きい。しかし、その外国人政策が、結果的に地方をさらに疲弊させることになりかねない──。
話題書『縮んで勝つ』の著者・河合雅司氏が解説する。【前後編の後編。前編記事から読む】
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外国人の実像を理解するには、地域偏在の実態も把握することが求められる。
総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2025年1月1日現在)によれば、外国人住民が最も多い都道府県は東京都の72万1223人だ。次いで大阪府32万8128人、愛知県32万1905人、神奈川県28万4889人、埼玉県25万7656人、千葉県22万7013人などの順である。
外国人住民人口が多い都道府県、少ない都道府県(総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2025年1月1日現在)より)
反対に最も少ないのは、秋田県5753人である。鳥取県6005人、高知県6661人、青森県8415人、徳島県8769人などが続く。
地方自治体単位での最多は大阪市18万9281人。2位は横浜市12万6744人、3位は名古屋市10万502人と、人口規模の大きい政令指定都市が上位に並んでいる。前年比増加数の多さで見ても大阪市(1万9889人増)、横浜市(1万790人増)、名古屋市(7744人増)の順だ。東京23区の外国人住民数のトップ3は、新宿区4万8097人、江戸川区4万7932人、足立区4万3996人だ。
外国人住民の総数に占める割合も外国人住民数の多い都道府県が上位に登場する。最多は東京都の19.6%だ。外国人の5人に1人は東京都に住んでいるということである。続いて大阪府8.9%、愛知県8.8%、神奈川県7.8%、埼玉県7.0%、千葉県6.2%である。これら三大都市圏の主要6都府県だけで約6割を占める。
東京は「20人に1人は外国人」、秋田・青森・岩手は「1%未満」
次に、各都道府県の住民総数に占める外国人住民の割合でランキングしてみると、東京都が5.2%でトップだ。東京都居住者の20人に1人は外国人となっているのである。東京都の場合、観光客も多く外国人の姿をたくさん見かけるが、住民として暮らしている人も少なくないのである。東京都に続いて外国人住民の割合が多いのが愛知県と群馬県の4.3%である。両県とも大規模な工場があり、そこで働く外国人が数字を押し上げている。
外国人住民の割合が多い都道府県、少ない都道府県(総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2025年1月1日現在)より)
反対に、外国人の割合が最も低いのは、外国人住民数も全国で一番少ない秋田県で0.6%だ。次いで青森県0.7% 岩手県、高知県、山形県が1.0%である。「外国人住民はほぼいない」といった印象を受けるような小さな数字だが、これらの県に限ったことではない。多くの地方ではそれぞれの住民総数に占める外国人住民の割は低い。