トランプ大統領は利下げを進めたい意向(写真/EPA=時事)
9月に連日のように史上最高値を更新した日本株市場。今後の相場展開はどうなるのか。マーケットバンク代表の岡山憲史氏は、「最高値からさらに上昇する要因となり得るのは米国の利下げ」だという。
「世界最大の経済大国である米国の利下げは、世界経済全体に影響を及ぼす景気刺激策とみなされ、株式市場への資金流入を促します。特に日本株は海外投資家の影響を受けやすいため、そのインパクトは大きい」
利下げなど金融政策を決定する米FRB(連邦準備制度理事会)は、政府から独立した機関であり、政治要因に左右されないのが本来の姿だが、トランプ大統領の言動はその前提を覆している。
「景気拡大を重視するトランプ氏は株価を自身の支持率のバロメーターとみなし、株価上昇につながる利下げを何としても進めたい。そのためFRBの独立性を尊重せず、自身の意向に沿った金融政策を求めています。大統領の権限を強化し、政治的な影響力を拡大しようとする意図の表われとも言えます」(同前)
自らの意に沿う人物をFRB理事に送り込むなどの圧力を強めていることもあって、10月28~29日のFOMC(連邦公開市場委員会)でも利下げ観測が高まっている。
「9月に続いて利下げが実施されれば、米国株が上昇するのに伴い日経平均株価もさらなる上昇が期待できるでしょう」と岡山氏は見る。
割安な高配当株をメインに資産2億円超を築いた兼業投資家・なのなの氏もこんな見方を示す。
「例年、10~12月相場は強い。そのうえ、最高値更新といっても、じりじりと株価を上げる“じり高”となっていて過熱感も高まっていない。少なくとも年内はこの流れは変わらない可能性が高いでしょう。目線は上を向いていたほうがいい」
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※週刊ポスト2025年10月17・24日号