米国利下げは株高に織り込まれている
今後のスケジュールを見通すと、10月28~29日のFOMC(連邦公開市場委員会)では9月に続いて利下げに踏み切るとの観測が強まっているが、その影響はどうか。
「もちろん、米国の利下げは景気の下支え要因になり得ますが、10月の追加利下げで、すんなりと株価が一段高になるとは考えにくい。10月を含めて年内に2回の利下げがあるということはもはや既定路線ですから、すでにこれまでの株高で織り込んでいる可能性が高く、新たに株価を押し上げる材料とはなりにくい。仮に10月の利下げがこれまでの利下げ幅(0.25%)の倍となる0.5%になれば、サプライズで株価上昇につながりますが、それも考えにくいでしょう。ここまで最高値圏で推移していると、次の利下げがあっても“何がサプライズなのか?”と、市場の期待ハードルも上がっているのでは」
藤井氏は決していまの経済状況を悲観的に見ているわけではないが、それにしても株価が高すぎるというのだ。
「そもそも日経平均はここから1割足らずの上昇で5万円に届く反面、1~2割の下落で4万円もあり得る。騰落率で見れば、それほど大きな上昇幅でも下落幅でもない。仮に10月のFOMCで利下げがなかったら、ネガティブな材料として株価調整のトリガーになり得るし、非常に難しい局面です。ただ、調整して株価がいったん下がったところは、多くの投資家にとって喜ぶべきタイミングになるのではないかと見ています」