「この台、8000円で買いませんか?」
中には連チャン状態の台を“有償”で譲渡しようとする客もいるという。埼玉県に住む自営業Dさん(40代男性)が、自らの体験談を明かす。
「地元のホールでパチスロのAT機を打っていた時、隣で連チャン中だった男性にいきなり声をかけられて、『この台、ATのストックがあと5個くらい残っているんですが、8000円で買いませんか?』と持ちかけられたんです。その機種のスペックであれば、ATが5個なら確かに8000円分くらいの出玉は余裕で期待できるんです。そのうえで、自分のヒキが良ければもっとたくさんの出玉を獲得できるかもしれない……と、正直悩みましたね。
でも、結局は断りました。本当にストックが5個残っているかどうかも確認できていないし、騙されている可能性もある。それに、金銭を渡して台を譲渡してもらったことがホールにバレたら、遊技を止められるかもしれないし、下手すれば出禁になるかもしれない。日頃から通っているホールだったので、そんなリスクは負えません」
ホールでのルール違反が発覚した際には、出玉没収というペナルティーが科せられることもあるという。
「無償で台を譲るのであれば“親切”のひとつだということで、見て見ぬふりをしてもらえることもあるでしょうが、金銭の授受があったとなれば、それは親切ではなく完全な譲渡ですから、ホールとしては無視できないでしょう。ホールにおいて、不正行為が発覚した場合、出玉没収となるケースはよくあることです。お金を払って台を譲ってもらったのに、その台を打てなくなるだけでなく、出玉没収となっては、ただただ損をするだけです。ホールで“台を買いませんか”と持ちかけられても、断るのが賢明な判断だと思います」(藤井氏)
パチンコ・パチスロは、ホールのルールに従って楽しむもの。“台の譲渡”がルール違反になっているホールが多いという事実は、しっかりと知っておくべきだろう。
パチンコ・パチスロのやめ時をめぐっては、様々な迷惑行為も報告されている。関連記事【パチンコホールで「離席中」「休憩中」の札を掲示したまま戻ってこない迷惑行為 「自分がハマった台を他人に大当たりされたくない」の身勝手なユーザー心理からか】などで解説している。