ただ、高校無償化といっても、実際には上限48万円程度が助成されるにとどまる。私立高校に通えば授業料以外にも諸経費がかかり、年間100万円ほど必要だ。助成があっても家庭の負担は年間50万円、3年間で150万円程度となる。物価高で実質賃金が下がる中、この150万円の負担に躊躇する家庭も増えてくるだろう。
すると、推薦で大学に進学したい学力中堅層の生徒の間で経済格差問題が顕在化する。推薦入試が経済的に余裕のある家庭の子どもに有利な部分があるとしたら、それは留学や海外ボランティアなどの活動実績が作れるからではない。推薦に有利な私立高校へ進学できるかどうかという「3年間で150万円」の差なのである。
こうした格差をどう解消するかも、今後の検討課題となるだろう。
■第1回記事から読む:大学入試がどんどん推薦入試にシフトしていく中で「ボーダーフリー状態」を避けるために大学側が重要視する指標
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)も話題に。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)、『東洋経済education×ICT』などで連載をしている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも日々更新中。
【*11月4日13時頃、本文を一部修正いたしました】