「QS世界大学ランキング2026」で1位の米MIT合格者はいたのか(写真:イメージマート)
中学受験や高校受験の志望校選びに際して多くの人が参考にする「大学進学実績」。近年は日本の高校などから「海外大学」に進学するケースが増えている。海外大進学を視野に入れたカリキュラムを売りにする公立や私立校も増えるなか、文部科学省調査(隔年実施)によると、2023年度、海外大に現役進学したのは1635人だった(2021年度比211人増)。マネーポストWEBは「大学通信」に寄せられた全国1128校からの回答をもとに、2025年度の「海外大現役合格者数」を独自に集計。世界大学ランキング上位50位以内の名門大学の現役合格者数(延べ人数)が多い順にランキング形式でまとめた。
国内難関大学への現役合格者数ランキングとは全く異なる顔ぶれになっているが、どんな進路指導が行なわれているのか。海外大進学に詳しい識者の解説とともに、フリーライターの清水典之氏がレポートする。【前後編の前編】
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目次
「QS世界大学ランキング2026」トップ50大の合格者数をカウント
中学受験や高校受験の受験先を選ぶときに公式サイトなどに掲載された「大学進学実績」を見ると、国内の大学の合格実績がずらりと並んだ最後に、海外大の合格実績が並んでいたりする。そこには一般によく知られるハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)、スタンフォードなどのいわゆる名門大学ではなく、あまり知られていない大学名が記載されていることが多い。
海外大学・大学院進学の予備校、アゴス・ジャパンで進路指導のディレクターを務める松永みどり氏はこう言う。
「海外の大学に進学するといっても、入学の難易度は大学によって雲泥の差があります。留学エージェントに依頼するだけで、特に何もしなくても入れる大学はたくさんあり、一方でMITやハーバードなど、おそらく東大に入るより難易度の高い大学もあります」
アメリカだけでも大学は約3000校あり、日本の大学と同じで、やはりピンからキリまである。そこで、マネーポストWEBでは、大学通信が実施したアンケート調査の結果を独自に集計。入学難易度の高い大学の合格者数が多かった学校順に、2025年度の全国高校別・難関海外大合格実績ランキングを作成した。
カウントの対象とした「難関大」は、イギリスの大学評価機関「Quacquarelli Symonds(クアクアレリ・シモンズ=QS)」が、学術的な評価、雇用者からの評判、研究の影響力など複数の指標に基づいて大学を総合的に評価しランキングした「QS世界大学ランキング2026」でトップ50に含まれる大学とした。各高校の合格実績から上位50大学(32位の東京大を除く)の合格者数を抽出し、数が多い順にランキングしている。なお、QS世界大学ランキング2026のトップ10は以下の通り。
【1位】マサチューセッツ工科大学(MIT:米)
【2位】インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)
【3位】スタンフォード大学(米)
【4位】オックスフォード大学(英)
【5位】ハーバード大学
【6位】ケンブリッジ大学
【7位】ETHチューリッヒ大学(スイス)
【8位】シンガポール国立大学(シンガポール)
【9位】ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(英)
【10位】カリフォルニア工科大(米)