「ファウンデーションコース」合格は除外した
ランキング入りした高校の寸評に入る前に、一つお断りしておきたい。イギリスとオーストラリア、ニュージーランドの大学の合格者数についてである。
「日本の小・中・高校は6・3・3の12年間ですが、イギリスと旧英国領のオーストラリア、ニュージーランドは初等・中等教育が13年間あり、大学は3年制で、日本の高校からだと原則、直接大学には入れません。そこで、進学したい大学のファウンデーションコースと呼ばれる1年間の予備コースに通うことになります。ファウンデーションコースは比較的簡単に入れますが、そこで成績が一定の基準をクリアしないとその大学には入学できず、実際に進学できなかったというケースはあります。また、イギリスのトップ校であるオックスフォード大とケンブリッジ大には、ファウンデーションコースはありません」(松永氏・以下同)
では、日本からだと、こうした国の3年制の大学に高校から直接入学するのは不可能かというと、実は例外がある。
「日本の高校から“直入”する方法は2つあります。1つは高校の国際バカロレア(IB)コースを卒業すること。もう1つは、高校がAPプログラム(Advanced Placement:高校生が大学の初級レベルの授業を履修できるプログラム)を提供していて、AP試験を受験して一定のスコアを獲得していることです。ですから、“直入”がないわけではありません」
IBコースとは、国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムで、世界共通のカリキュラムと評価基準で学習するコース。IBコースを設置している学校は北海道から沖縄まで各地にあり、都内では東京学芸大附属国際、都立国際、開智日本橋、玉川学園、千代田などがある。また、日本でAPプログラムを提供しているのはインターナショナルスクールがほとんどだが、外部の高校生に対してAPプログラムを提供している学校もある。つまり、出身高校にIBコースもAPプログラムもないからといって、“直入”できないわけではない。
そこで、高校からのアンケート回答に「ファウンデーションコース」(予備コース)と明記してある場合は、あらかじめ合格者数から除外した。