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キャリア
総合型選抜に潜む教育格差

「一般選抜は公平だ」は本当か?アメリカも日本も難関大受験で強いのは「重課金された」富裕層の子供 一発勝負のペーパーテストにこそ潜む教育格差

一般入試はどこまで公平なのか(イメージ)

一般入試はどこまで公平なのか(イメージ)

 大学受験において、推薦入試に対する注目度が高まっている。その一つである総合型選抜は「経験豊富な生徒が評価され、そうした体験を積ませられるお金持ちが有利である」という言説があるが、実態はどうなのか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』が話題の受験ジャーナリスト・杉浦由美子氏がレポートする。【総合型選抜に潜む教育格差・全3回の第2回】

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 大学入試で推薦入試が拡大する中で、反発の声もある。「推薦入試は活動実績や経験が重視されるからお金持ちの子が有利だ。一般入試はペーパー試験なので公平だ」という意見だ。これが事実であるかどうか、検証を続けてみよう。

 前回記事ではアメリカの大学入試について言及した。日本で総合型選抜が増えているのはアメリカの大学入試を意識しているとも言われる。アメリカの大学入試はすべてが総合型選抜だ。そして、「アメリカの大学入試は経験がすべて」という言説がSNSなどではまことしやかに流れる。

 実際、海外進学の対策をしている業者が「スポーツなどの活動実績が一番大切」というケースもある。しかし、それは事実とは異なる。

 コロナ禍に学力共通テストであるSATが実施できなくなり、アメリカの難関大学入試での合否に学力テストのスコアが加味されなくなった。高校の成績と活動実績で合否が決まるようになると、低所得層の受験生の合格が急増したのだ。

 つまり、平常時にアメリカの難関大学の入試で富裕層の子供が強いのは、彼ら・彼女らは学力が高く、SATで高得点を取るからと推測できる。

 マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(早川書房)でも、高所得層の子供ほど、共通学力テストSATの点数が高いことが書かれている。

次のページ:アメリカの難関大学の入試で「スポーツをやっていないとダメということはない」

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