頑張って勉強したのに負け続けた
当時はFXや株式投資が盛り上がっていた。加藤氏は、三村雄太氏の著書『平凡な大学生のボクがネット株で3億円稼いだ秘術教えます! 三村式株投資』(扶桑社、2005年8月刊)から影響を受けたという。
「従来の資産運用の本と比べるとポップな印象で、初心者でもやれそうと思える本でした。読んで見事に感化され、一本の道筋が見えた気がした。“投資を極めれば、経済的に自由になれるのではないか”と、すがるような思いでした」
様々な投資にチャレンジした加藤氏だが、勉強もせず取り組んだため、2005~2007年は惨憺たる結果になったという。
「一部のビギナーズラックを除けば、全く上手くいきませんでした。資金もすぐに底を尽き、投資から一時撤退することに。そして2010年、余剰資金が少しできたため、FXを真剣にやろうと決めた。当時、株式投資のほうが盛り上がっている感じはしましたが、本業が本当に忙しかったので、24時間市場が動いているFXのほうがチャンスはあると思いました。為替のチャートは株式に比べて非常にきれいな形をしていて、テクニカル分析を極めれば成功できるのではないかと感じたんです」
帰宅してから3時間はFXの勉強の時間に充て、睡眠は5時間ほどの生活を送ったという。
「とても頑張っていましたね(笑)。ただ、頑張っていたのに負け続けた。“本を読み続ければ成功できるのではないか”“自分の知らない情報がどこかにあるのでは”と情報探しに躍起になっていました。FXに関するテクニック(手法)の話は世に溢れています。それを学び、覚えるというインプット中心では結果が出なかった」