F-2戦闘機の火器管制レーダーは三菱電機が開発している(撮影/菊池雅之氏)
アメリカに対する公約として、防衛費をGDP比2%に増額する目標を掲げる高市早苗・首相。さらには、防衛装備輸出の規制を緩和し、世界に売っていく姿勢を見せている。専守防衛」を国是とする日本ではあるが、自衛隊は最新鋭の装備を誇っている。他国が欲しがり、恐れる兵器や装備を生み出す日本の防衛産業の可能性を探った。
日本の防衛産業が技術を結集して取り組む次世代戦闘機開発
自衛隊の最新鋭の装備の開発を支えているのが日本の防衛産業の高い技術力だ。
「防衛装備における日本企業の技術は世界的にも優れているのは事実です」と語るのは防衛装備庁の初代長官を務めた渡辺秀明・防衛技術協会理事長だ。
今、日本の防衛産業が技術を結集して取り組んでいるのが日英伊で次世代戦闘機を共同開発する「グローバル戦闘機プログラム」(GCAP)だという。
「三菱重工が主要部分にかかわっていますが、この戦闘機は金属製のボルト、ナット、リベットといった部品を使わず、炭素繊維複合材を接着剤などで接合することで重量を1割軽減する。日本はこの炭素繊維複合材技術、接着技術、構造構築技術が優れている」(同前)
開発後は当然、航空機から車まで民生技術にも波及していく。
「電子戦に不可欠なパワー半導体も日本企業が得意な分野。F-2戦闘機の開発では三菱電機が『J/APG-1』という火器管制レーダーを開発した。パワー半導体などデバイスの性能が上がったことで、次世代戦闘機では高性能なレーダーが日本の技術を用いて開発され、搭載されることが期待されています」(同前)
