配当を受け取るよりリターンが大きいケースもあるという(写真:イメージマート)
日経平均株価が乱高下して相場の先行きは見通しにくい状況にあるが、近年のさまざまな相場環境のなかでも安定した人気があるのが「高配当株」だ。株を持っているだけで定期的に得られる配当収入。株式市場が乱高下する局面でも安定したリターンが期待できるためインカムゲイン狙いの投資として人気は高いが、その“安定性”を逆手に取って資産を築き上げてきた達人がいる。配当を巧みに利用した独特の投資法を実践する個人投資家・配当鳥175R(以下、配当鳥)さんだ。
配当鳥さんは投資歴20年以上。30代前半に株式投資に取り組むも一度退場し、その後に始めた不動産投資で1億円以上の資産を形成。2013年には不動産収入が本業を上回ったため会社を退職し、2018年から株式投資に本格参入した。現在の資産は8億円超だという。
投資スタイルは、割安株を選ぶバリュー投資を軸にしつつ、短期では銘柄の乗り換えで小さな利益を積み上げるというものだ。
「高配当株を長期保有するのは、正直に言って“退屈”なんですよ。利回りが下がった銘柄を売り、高くなった銘柄にどんどん乗り換えていくほうが性格に合っている」と配当鳥さんは話す。
入れ替えを繰り返すなかで、配当を受け取る権利が確定する前後に現われる“規則性”に気づき、それが配当先回り投資へと発展していった。
「配当落ち(権利確定日後の下落)って、やっぱり毎年のように起きるんですよ。ですから、落ちる前に逃げて、落ちたあとに拾うほうが大きな値幅が狙えると考えるようになったんです」
