今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが11月24日~11月28日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米景気減速への懸念で利下げ観測が再燃した場合、リスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性があるが、日本の財政悪化懸念は継続し、日本円との比較で安全とされる米ドルの需要がただちに弱まる可能性は低いとみられる。11月20日に発表された米9月雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月分から増加したが、失業率は上昇。強弱まちまちの内容で、12月利下げの可能性は消えていないようだ。ただ、10月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、一段の緩和に慎重な当局者が参加メンバーの過半数を占めていたことが判明しているため、12月利下げの確率は高まっていない。
一方、高市政権の積極財政をにらみ日本の財政悪化に対する警戒感がやや高まっている。財務相、経済財政担当相、日本銀行総裁による3者会談後に日銀の早期利上げ観測は後退し、日米金利差を意識した円売りが続いているようだ。日本政府は円安進行を牽制しているものの、円買い介入がすみやかに実施されるとの見方は少ないようだ。短期間で大幅なドル高円安となったことから、ドルの急反落が一部で警戒されているようだが、ドル高円安の基調が短期間で失われる可能性は低いとみられる。
【米・9月小売売上高】(11月25日発表予定)
25日発表の米9月小売売上高は、8月の前月比+0.6%を上回れば消費の改善を示す材料になる。逆に低調内容なら、景気減速懸念で追加利下げ観測によるドル売り要因に。
【米・9月耐久財受注】(26日発表予定)
26日発表の米9月耐久財受注が8月実績(前月比+2.9%)を下回った場合でもドル売り材料にはならないとみられる。ただ、コア資本財の出荷は減っており、9月もこの動きが続いた場合、ドルは伸び悩む可能性がある。
