先週は米国市場も軟調な推移となっているが、ブロードコムやオラクルなどの株価下落が売り材料視されるなど、引き続き、AI関連株に対する過熱警戒感が強まる状況にある。好決算を発表したマイクロンの株価が急伸したことで、警戒感は一旦沈静化しつつあるが、仮に今後戻り売り圧力が強まるような状況となれば、再度、過熱感がクローズアップされてくる可能性もあるだろう。依然として、国内のAI・半導体関連株に対する積極的な上値追いは手控えられる公算が大きいと考える。
今週後半にかけて海外市場では、クリスマス、ボクシングデーのために休場(米国市場は25日のみ休場)となる。週初から海外投資家の資金流入が徐々に減少していくとみられ、今週は閑散相場となることが想定される。国内外での重要イベントも通過しており、株式市場で上下のトレンドは発生しにくい見込みだ。ちなみに、来週も2営業日のみで、その後は年末年始休暇に入ることから、国内機関投資家の動きも緩慢なものになっていこう。このため、短期資金の値幅取りの動きが幅を利かすことになるだろう。IPO関連銘柄や値動きの軽い低位材料株などが物色の中心となるほか、節税対策売りにも一巡感が見られ始めており、これまでの株価低パフォーマンス銘柄のリバウンドなどにも狙いが向かおう。
日銀の利上げ決定後にドル高円安が進行していることから、短期的にも2024年7月以来の160円乗せが視野に入りつつある。政府が物価高対策を推し進めている状況下でもあり、年末に向かう中でも為替介入観測などが大きく強まる余地がある点には注意が必要だろう。
今週にかけて、国内では22日に11月首都圏新規マンション発売、24日に10月29-30日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、11月企業向けサービス価格指数、25日に11月全国百貨店売上高、26日に11月失業率・有効求人倍率、12月東京都区部消費者物価、11月小売業販売額、11月鉱工業生産などが公表される。
海外では、23日に米・7-9月期GDP(速報値)、10月耐久財受注、11月鉱工業生産・設備稼働率、12月コンファレンスボード消費者信頼感指数、24日に米・新規失業保険申請件数などが発表予定。なお、25日はクリスマスで欧米アジア市場が休場となり、26日はボクシングデーのため欧州・アジア各国は休場となる。