お義兄さんのように急病や事故で突然意識を失った場合には対応できません。もしそのような場合に親族がお義兄さんの代理をすれば、代理権の有効な付与を受けていないので無権代理人として預金取引ができないはずです。
しかし、親族等の無権代理による預金取引については、銀行は本人の認知判断能力が低下した場合、かつ成年後見制度を利用していない(できない)場合において行う、極めて限定的な対応として認めています。お義兄さんの場合もこれに準じた扱いが期待できると思います。
銀行に診断書を提出し、本人の状態確認や担当医からのヒアリング等を行ってもらい、お義兄さんの意識喪失が今後も相当期間継続することをわかってもらう必要があります。意識を失っていなければ当然本人が支払っていたであろう医療費等の支払い手続きを親族等が代わりにする行為など、本人の利益に適合することが明らかである場合に限り、銀行は預金の引き出しを認めてくれると思います。まずは銀行に相談してください。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2026年1月8・15日号