「耳から学ぶ」スタイルの魅力は「必死感がないところ」
「耳から学ぶ」という傾向は文系・理系を問わず広がっている。別の私立大学に通う男性・Bさん(21歳・理工学部)は、国際政治の動向や文化的教養はポッドキャストを活用して身につけているという。
「ゼミの先生からは『なるべく新聞を読むように』と言われるのですが、紙媒体で購読するのもお金がもったいないし、正直目を通すのもきついなと思って。ポッドキャストなら満員電車でも聴けるから便利なんですよね。僕は通学で地下鉄を使うんですが、ポッドキャストはあらかじめダウンロードしておけば、電波がないところでも再生できます。経済や国際ニュースを扱う番組を中心に、『ながら視聴』している感じですね」(Bさん)
Bさんは「耳から学ぶ」スタイルの魅力について、「必死感がないところがいい」と話す。
「僕は周りから“意識高い”って思われたいわけじゃないんですよ。むしろ“がんばってない感”を出したいとすら思っています。ただ、将来困らないための最低限のインプットとして、無理せず知識や教養を得られる手段は何かと考えたら、ポッドキャストだったという感じ。音声だと、TikTokやXをだらだら見るより罪悪感がないのも大きいですし、周囲の友人から『必死に頑張ってるな』と思われなくて、気持ち的にもラクなんです。
うちの大学のキャンパス内には留学生や帰国子女も多く、外国語のテキストや小説を広げて勉強している人たちも目立ちます。僕はそういうタイプにはなれないけれど、自己研鑽はしていたい。“意識高い系に見せたくない、隠れ意識高い系”なのかもしれません(笑)」(同前)
コスパやタイパを重視する“令和の意識高い系”大学生のあいだでは、通学時間や就寝前の隙間時間を活用して、「耳から学ぶ」というスタイルが定着しつつあるのかもしれない。