“大学の友人なんていらない”と思っていたけど…(写真:イメージマート)
ライブ、2.5次元の舞台、バーチャルアイドルのイベント、ツアー遠征──。好きなアイドルや俳優、キャラクターを応援する「推し活」は、いまや幅広い世代に広がっている。日々の生活に活力を与えるポジティブな側面がある一方で、その裏側では私生活を犠牲にしている人も少なくない。
なかには、「推し活」費用を捻出するためにバイトを掛け持ちし、プライベートでの友人関係にお金をかけないよう徹底するなかで、孤立していく若者もいるという。その実態を探った。
ゼミの忘年会欠席で思い知った「友人との距離感」
都内の大学に通う女性・Aさん(20歳)は、大手事務所に所属する男性アイドルの熱心なファンだ。ドームツアーは全公演足を運び、公式グッズが発売されたらほぼ全種類をゲットする。ライブがない時期にも、仲間とともに「本人不在の聖誕祭」を実施するなど、推し活が生活の中心になっているという。
そんな彼女は、あることがきっかけで大学のゼミで距離感を感じるようになった。
「今年、ゼミの忘年会を私だけ欠席したんです。1人3500円で、居酒屋3時間飲み放題コース。『まずい食事と、ピッチャーの安酒で3500円なんてあり得ない』と思ってしまって……。正直、その金額があればおしゃれなカフェで、オタク友達と一緒にお茶したいし、そこでカワイイ写真を撮れるんですよ。なのでLINEグループでお知らせが来た時に『欠席』を選びました。他にも欠席者がいるかと思っていたのですが、蓋を開けたら私以外全員が出席でした」(Aさん)
当日までは気にとめていなかったものの、忘年会後のLINEグループを目にし、複雑な心境になったAさん。
「飲み会が終わったあと、夜中に忘年会と二次会、三次会の写真や動画が送られてきたんです。みんなが『今日はありがとう!最高だったね』みたいなメッセージをグループに送っていて……。それをみた瞬間に『あ、距離できたな』って。
誰も欠席を責めてきたわけじゃないけれど、自分がいない空間でみんなが親しくなっていたことが、ちょっと寂しくて。私はとくに用事がなかったので、結局自宅で過ごしていたんですよ。『これは推しのために必要な判断だ』と自分を納得させようとしていますが、3500円をケチったことが正解だったのか、正直わかりません」(同前)
