“キャバクラ接待”への違和感はどこから来るのか(写真:イメージマート)
昨今の若い世代は、いわゆる「夜の街」「接待を伴う飲食」といった場にはあまり行かなくなっているという。「女性と会話をしたければ、マッチングアプリを使えばいいし、わざわざ高いお金を払ってキャバクラに行く意味がわからない」というZ世代男性の声も聞こえてくる。とはいえ、それより上の世代でも、“キャバクラ接待”に違和感を抱いていた人はいる。
大学を1997年に卒業し、そのまま広告会社の新入社員となったネットニュース編集者の中川淳一郎氏(52)は、若手時代に散々キャバクラに連れて行かれたが、「正直、あんなに高いカネを払って何が楽しいのか分からなかったッス」と振り返る。
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大学時代は、キャバクラに行ったことなどなかったのですが、会社に入って約1か月後のこと。研修期間が終わって所属部署が決まり、いよいよこれからだという当日、「歓迎会をやるぞ!」と言われ、部署の全員で居酒屋へ。2次会は六本木のカラオケでした。
その後女性社員は先に帰されたのですが、残った男性陣に先輩社員が「さて、次はやはり……」と切り出すと、部長が「行くか!」と元気よく向かったのがキャバクラ。男性社員6人で繰り出したのですが、露出度の激しいドレスを着た女性を人生で初めて見た私はギョーテンしました。
私の隣についた女性は「あら~、あなた若いわね~」なんてセリフを言い、「そう言われましても……」なんて思っていると、先輩方が「こいつは今年の新入社員なんですよ~!」と紹介し始め、その女性からも質問攻めです。先輩方はこの店に慣れているようで、途中、お気に入りの女性を指名したりするなど、楽しんでいましたが、当時ウブだった私は、女性が隣にいることにどぎまぎして、楽しむどころではありません。
「この店は一体何をする店なのだ? やたらと薄く、ウマくもなんともないウイスキーの水割りをなぜ延々と飲まなくてはならないのか。しかも、女性が次々と入れ代わり立ち代わりやってきて『私もいただけますか?』と言う。そして『ナントカカントカさーん、〇番テーブルさんからご指名でーす!』という絶叫アナウンスが来るとその女性はいなくなる。何のために、あるいは何のメリットがあって自分がここに座っているのか、まったく意味がわからん!」
