「16万円ぐらい集まったのですが…」
お金の回収は途中から友人に任せるようにしたのですが、会計の段階になって彼が青ざめてこちらにやってきた。
「16万円ぐらい集まったのですが、会計がコレです……」
そこには想定をはるかに超える、「33万円」の数字がありました! どうやら、とんでもない量の生ビールを頼んだ人が何人もいたようで、恐らく彼らの脳内では「飲み放題の大宴会」という感じだったのでしょう。「1人3000円」という設定をしていただけに、その場に残っている約20人から追加で1000円を徴収するのもはばかられた。すでに帰っている人もいるわけですし、それでは不公平です。
それに、その20人から追加で1000円ずつもらってもしょせんは2万円。焼け石に水なわけで、ここは腹をくくってコンビニへ。足りない17万円をATMでおろし、33万円を支払いました。私自身は事前のドリンク代で自腹で2万円払っていただけに、この宴会で自分が支払った金額はトータル19万円……。
あぁ、ズボラな人間はとことん幹事が向いていないんだな、と痛感したのでした。生ビールを頼んでいる人がいるのは目に入っていたものの、そこまで楽しんでいるんだからまぁいいか、とスルーしてしまった。キチンと関所的に入口で受付・会計をしたり、飲み物の持ち込みをしていな人からは、「缶ビール1本は追加で400円」などと明示しておけば良かった。
しかし、参加者が増えていくにつれて管理がどんどん杜撰になっていき、挙句の果てにはコンビニで17万円おろす羽目に……。自分が悪いとはいえ、テキトー過ぎる性格の人間は幹事はすべきではないですね。以来、幹事は一回もしていません。それだけに、自腹を切らずにキチンと企画を成立させ、参加者にも満足してもらえるような会を取り仕切れる幹事は、本当に立派だと今は尊敬しています。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は稲熊均氏との共著『ウソは真実の6倍の速さで拡散する』(中日新聞社)。