金価格の大きな上昇だけでなく、銀やプラチナといった他の貴金属価格も急騰した
2025年は、金、銀、プラチナ、そして銅といった主要金属が軒並み上昇、銀とプラチナに関してはは年初から2倍前後まで上昇するという値動きを見せた。この背景には何があるのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第172回は、「貴金属」について。
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2025年は、貴金属市場にとって「歴史的な1年」となりました。金、銀、プラチナ、そして銅といった主要金属の価格が軒並み上昇し、とくに銀とプラチナは年初から2倍前後という異例の値動きを見せています。
年間の上昇率を見ると、金は約70%、銀は約2.4倍、プラチナも約2.4倍と、いずれも過去数十年でも例を見ない水準です。
貴金属価格が急騰した共通の理由は3つあります。
【1】安全資産需要の高まり
2025年は地政学リスクや貿易摩擦などの不確実性が意識され、リスク回避で貴金属に資金が向かいやすい地合いでした。
【2】米利下げ観測による相対的な需要増
金利が下がる(下がりそうな)局面では、利息を生まない金属でも「持つコスト」が相対的に下がるため買われやすい、という力学が働きます。2025年末にかけては利下げ期待とドル安が意識されました。
【3】ETFなどへの投資マネー流入
手軽に買いやすいETF(上場投資信託)などを通じた個人投資家の資金流入が価格上昇を後押ししました。
今までであれば上記の理由で金だけが買われていましたが、2025年は、金が上昇しすぎたため、相対的に割安に見えるプラチナや銀に投資家の意識が向かいました。また、銀とプラチナには、半導体、太陽光パネル、自動車触媒といった工業用途もあり、その需要増加が価格を一段と押し上げました。
