維新地方議員の“国保逃れ”のスキームとは(地方議員・元議員の6人を除名処分にすると発表した吉村洋文・日本維新の会代表/時事通信フォト)
日本維新の会の地方議員が、一般社団法人の理事となって高額な国民健康保険料の支払いを回避していた「国保逃れ」の問題は、“身を切る改革”を掲げる党の議員が自腹を切ることから逃れていたというブラックジョークのような話だ。どのようなカラクリだったのか、専門家が解き明かす。
維新は内部調査を実施
年109万円もかかるはずの健康保険料が、わずか4万円に──。
維新の地方議員による「国保逃れ」はそんな“丸儲け”を実現するスキームだった。
日本維新の会の吉村洋文代表は1月15日に記者会見を開き、「国保逃れ」が判明した地方議員・元議員の6人を除名処分にすると発表。疑惑が明らかになった地方議員のうちの1人は神戸市選出の兵庫県議(長崎寛親氏、57歳)で、議員としての年収はボーナス込みで約1400万円。議員が原則、加入する国民健康保険の保険料は自治体により異なるが、神戸市在住(40歳以上)の上限額である年109万円の負担となるはずだった。
ところが、それが一般社団法人(代表は維新国会議員の元公設秘書)の理事となり、月1万円程度の報酬を受け取ることによって保険料負担を年4万円程度(労使折半の自己負担分)に圧縮していたとされるのだ。理事として月数万円の会費を支払っていたというが、それでも差し引き年約60万円の得になる。
カラクリは以下のようなものだ。
医療機関での窓口負担が1~3割になる「公的医療保険」は3つに大別される。自営業やフリーランス、議員の加入する「(1)国民健康保険」、会社員や公務員の「(2)社会保険」、75歳以上が加入する「(3)後期高齢者医療制度」の3つだ。
維新の地方議員は一般社団法人の理事となることで、加入する保険が(1)の国保から(2)の社保に切り替わった。その際には、議員報酬が保険料の計算の対象外となり、法人からの報酬のみで保険料が決まることになる。そのうえ、(1)の国保の保険料が全額自己負担なのに対し、(2)の社保は労使折半となるため、著しく保険料が安くなったのだ。
「法人での理事としての業務は月2回のアンケートに答えるといった程度で、実態があったか疑わしい」(全国紙政治部記者)と見られており、前述の通り、維新が除名処分するに至った。
