社会生活上の経験が乏しい消費者が進学・就職・結婚などの重大事について抱いている願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、業者が不安をあおり、合理的な根拠や正当な理由なくして、提供するサービスが願望実現のために必要と告げ、消費者を困惑させて契約させたようなケースです。この場合、消費者の契約取り消しが認められます。
問題の業者は、就職に不安を抱えた息子さんに「このままではいい会社に就職できない」と告げて不安をあおったのですから、困惑商法に該当し、契約を取り消すことで支払い金の返還を請求できそうです。
また、困惑商法とまでいえなくても、セミナーやサポートを受ける契約関係は、民法の準委任契約に類似する契約ですから、将来に向けて解約できます。
解約すれば、実施済みのセミナー等の費用や報酬は別として、今後受けるセミナー等の費用や報酬はその必要がないのですから返還を請求できます。
業者が返金しなければ解約した場合の違約金に該当しますが、消費者契約法では、解除によりその事業者に発生する平均的な損害を超える部分については無効とされています。消費者センターなどで相談することをおすすめします。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2026年1月29日号