「現在の状況」の整理をしておけば施設選びもスムーズに(イメージ)
人生の晩年に達し「終の棲家」として老人ホームへの入居を考える人は多いが、施設選びのタイミングを間違えているケースが目立つという。老人ホームアドバイザーの伊藤直剛氏(N-TAKE代表取締役社長)はこう言う。
「持病の悪化や認知症の進行などで自宅での日常生活が困難になり、慌てて探すケースがほとんどです。検討されるのは『介護付き有料老人ホーム』が主流ですが、焦って決めた結果、入居後に後悔する利用者やご家族は少なくありません」
余裕を持ち納得のいく老人ホーム選びをするには、子供や配偶者など家族が本人の様子の変化を先取りすることが重要だという。
「歩行が不安定になるなど日常生活が覚束なくなった、記憶が曖昧になるなど認知症の疑いが若干でも出始めたら、手遅れになる前にホーム探しを始めるべきです」(同前)
しかし、一口に老人ホーム選びと言っても、費用や立地などの条件面のほか、施設の雰囲気や介護サービスの充実度など検討事項は多岐にわたる。老人ホーム業界に30年以上携わり、自身も施設長などを務めた老人ホームコンサルタント、小嶋勝利氏が指摘する。
「本来は介護や医療サービスの内容をしっかり見定めるべきですが、予算面の条件が最優先になりがちです。『本人の年金や預貯金の範囲で入居できるならどこでもいい』と、慌てて選ばれる実態があり、利益最優先の民間介護事業者の参入を助長しています」
前出・伊藤氏が失敗しない老人ホーム選びの第一歩として挙げるのが、「現在の状況」の整理だ。
「要介護度や認知症の有無、医療の必要性のほか、入居時期、月々の予算、希望エリア、食事面などの希望条件を本人と相談して書き出し整理しておけば、その後の施設選びがスムーズになります」
