ソニーが赤字部門のテレビ事業を切り離しへ(Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。ソニーがテレビ事業を切り離し、中国企業と設立する合弁会社に継承する選択をした背景についてレポートする。
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ソニーグループ(東証プライム・6758)は1月20日、完全子会社のソニーからテレビ事業を分離し、中国の大手家電メーカー、TCLエレクトロニクスホールディングス(香港・01070)と設立する合弁会社に継承すると発表した。
合弁会社は、テレビ、ホームオーディオ機器などの開発、設計、製造から販売、アフターケアまで一貫した業務を行い、将来はソニーとの間で特許、技術、ブランドのライセンス契約を結ぶことも視野に入れている。出資比率はTCLエレクトロニクスが51%、ソニーが49%。この案件に関する独占交渉権は3月31日まで。順調に進めば、それまでに正式な契約に至る見込みで、合弁会社設立は1年後の2027年4月となりそうだ。
液晶パネルはテレビの原価の7割を超えるとも言われる重要部品であるが、ソニーは現在、これをTCLグループ内の「TCL華星光電技術(TCL華星)(サムスン電子が第2位株主)」やLG電子などから供給を受けている。組み立てについてはマレーシア、中国などに工場を持つが、自社での組み立ては全体の生産量の5割を切っており、残りの部分は富士康を中心としたアウトソーシングに頼っている。
“Sony”“BRAVIA”は依然として日米欧などの高価格帯市場では高いブランド力を維持している。品揃えを中高級市場に的を絞り、ブランド力と独自の高画質、高音質の半導体チップ技術などで差別化を図ることで生き残りを図ってきた。しかし、2010年には世界市場で3位となる11.4%のシェアがあったが、2025年には10位まで後退、シェアは1.9%まで縮小している。
