東京は外国人観光客からの人気も圧倒的(イメージ)
円安を背景の一つとして、海外から続々と日本に観光客が訪れているが、訪れる街は人気都市に偏在している。「地方のいま」を各種データから明らかにした『稼ぐ地方 日本のさまざまな地域で「新しい価値」を生み出す人たち』の著者・近藤繁氏によれば、1位の東京と最下位の島根県では、宿泊者人数において710倍の差がついているという。
はたして、この状況は是正できるのか――。その具体的なアイディアを同書より一部抜粋・再構成して紹介する。【全4回の第2回】
観光関連のデータが示す「インバウンドの偏り」
全体で見るといま衰退傾向にある地方産業の中で、数少ない「成長エンジン」とされているのが、観光産業です。ポイントは、「インバウンド依存」と「稼ぐ観光へのシフト」です。特にコロナ禍からの回復局面では、インバウンド(訪日外国人) 需要は地方経済の大きな支えとなってきました。ただ、その恩恵はかなり偏在しているといえます。特徴的なのは、東京から大阪・京都にかけての、いわゆる「ゴールデンルート」への集中です。
観光庁「宿泊旅行統計調査」の2024年度の確定値によれば、訪日外国人の延べ宿泊者数は、東京都 (5680万人)、大阪府(2539万人)、京都府(1694万人) が突出しています。この上位3自治体だけで、実に全体(1億6446万人)の約51%を占めていました。
一方で、島根県 (8万人)、福井県 (9万人)、鳥取県 (12万人) などは延べ宿泊者数が少なく、中央値は新潟県 (53万人) です。つまり、47都道府県のうち半数の地方県は、全体の0.05~0.3%程度のシェアに過ぎないことになります。いかに観光客が「ゴールデンルート」に集中していて、そこから周辺の地方へと染み出していないかを示しています。
