SaaS関連銘柄の株価下落を弐億貯男さんはどう見ているのか(写真:イメージマート)
米国のイラン攻撃に先立つ格好で、ある不安材料が株式市場で噴出していた。株式市場界隈で取り沙汰されていた「SaaSの死」である。「Software as a Service」の略であるSaaS(サース)とは、インターネット経由で利用する業務ソフトウエアを指す。その「死」とは何を意味するのか。割安成長株への投資で元手250万円から3億円超の資産を築いたサラリーマン投資家の弐億貯男さんが解説する。
AIエージェントの登場によって注目を集める「Saasの死」
「SaaSはあらかじめパソコンにインストールされたソフトウエアではなく、ネット経由で勤怠管理や顧客管理、在庫管理といった業務用のアプリを提供するサービス。CMでもおなじみの『キントーン(kintone)』や『セールスフォース(Salesforce)』などが代表例と言えます。会社における人事や経理、営業といったさまざまな分野でSaaSを使うことで業務の効率化が図られてきました。
それに対して、AI(人工知能)を活用すれば、それらのアプリを使わなくても、目標達成のための手段を見つけて実行してくれるサービスが『AIエージェント』と呼ばれています。なかでも米アンソロピックの『クロード・コワーク(Claude Cowork)』は、勤怠管理や顧客管理、契約書などに間違いがないかどうかの法務確認といった、これまで人間がSaaSを操作して進めていた一連の作業をこなすことができる。そうしたAIエージェントがSaaSに取って代わる存在となる可能性が高まったため、『SaaSの死』と呼ばれるようになったのです」(以下、「」内コメントは弐億さん)
アンソロピックのAIエージェントの登場によって、2月以降にはSaaS関連銘柄の株価が下落。「アンソロピック・ショック」とも呼ばれ、米国株ではセールスフォースやアドビなど、日本株でもSansanやマネーフォワード、キントーンを手がけるサイボウズなどの株価が低迷している。
「SaaSに比べて、AIエージェントの優位性は、プログラミングの知識などなくてもAIが自律的にこなしてしまうことが一つ。コスト面でも、SaaSはIDごとに課金、つまり社員のアカウントの数だけ料金がかかっていましたが、AIエージェントなら1つのIDで済む。手間もお金もかからずに済むわけです。そうした優位性がことさら注目されて、SaaS関連銘柄のみならず、ITコンサルやSI(システムインテグレータ)、さらにはセキュリティ関連の銘柄までもがこぞって売られました」
