使用上限の設定で使いすぎを防止できる可能性
一方で、キャッシュレス化こそがのめり込み防止につながるとの見方もある。前出の記者会見で、日遊協の西村会長はキャッシュレス化による依存症対策の重要性を強調した。
「さまざまな形での依存症対策が考えられると思います。たとえば、キャッシュレス決済の使用上限を設定することで使いすぎを防ぐことができ、実際に『PPPAY』にもそういった機能があります。また、のめり込みの疑いがあるユーザーがパチンコホールでキャッシュレス決済を利用した場合、その履歴を家族などが共有することで、お金の使いすぎを注意することもできる。のめり込みの場合、自分だけの力だけでは抜け出せないことも多く、第三者の協力が必要になる。キャッシュレス決済なら、そのユーザーの動きを把握できるようになるということです。
このような形で、キャッシュレス決済をのめり込み防止に活用する可能性はたしかにあります。ただ、キャッシュレス決済の上限を超えた後、消費者金融でお金を借りるなど、抜け道はいくらでもある。キャッシュレス決済を導入したら依存症対策になるという簡単な話ではないと思います」
さらにもうひとつ、クレジットカードのショッピング枠の現金化が可能になるという問題もある。パチンコ・パチスロでは三店方式による出玉の換金が可能であり、キャシュレス決済で貸与したパチンコ玉やパチスロのメダルを換金することで、事実上の現金化ができる。ショッピング枠の現金化はクレジットカードの規約違反にあたる行為でもあり、この問題をクリアする必要があるのだ。
これらの問題を解決し、パチンコホールのキャッシュレス化を目指して議論を進めようとする日遊協だが、別の業界団体である全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)は慎重な姿勢を示している。関連記事【パチンコ業界「キャッシュレス決済」導入議論、日遊協と全日遊連で異なるスタンス ホール団体からは設備投資などへの懸念も…実現のためには「業界全体の意思統一」が必須か】では、全日遊連の見解について説明するとともに、今後のパチンコ業界におけるキャッシュレス化の動向を予測レポートしている。