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新規ラーメン店が一般客よりも「ラヲタ」を意識した味作りをするのは正解なのか? 都市部のラーメン店を繁盛させる鍵となる二段階戦略《ラーメンライター・井手隊長が解説》

味作りのポイントをどこに置くか(イメージ)

味作りのポイントをどこに置くか(イメージ)

 ラーメンオタク、通称「ラヲタ」は、新規開業店にとって無視できない存在だ。彼らは来店直後にSNSやレビューサイトで情報を発信し、その評価が店の初動を大きく左右する“点火装置”となる。とはいえ、継続的な売上の土台を支えるのはあくまで地元の一般客である。そうした点を踏まえて、ラーメン店はどのような戦略をとるのが正解なのか──。

 ラーメンライターとして、その爆発的な人気の広がりを現場で見続けてきた井手隊長が、ラーメンをビジネスの視点から読み解いた著書『ラーメンビジネス 麺好きから評論家まで楽しく読めるラーメンの教養』より、一部抜粋・再構成して紹介する。

オープン初期に求められるラーメンフリークを意識した戦略

 都市部で新規開業するラーメン店にとって、「ラヲタ(「ラーメンヲタク」の略。別名「ラーメンフリーク」)」の存在をどこまで意識するべきかという問いは、もはや戦略の中心にあると言っていい。とりわけ東京・大阪といった大都市圏では、開業直後の店の命運を左右するのは、実際に足を運び、最初に発信してくれる彼らの存在である。

 首都圏の新店に最初に来るのは誰なのか──。答えは明白で、圧倒的多数がラーメンフリークである。彼らは食後すぐにSNSに写真を投稿し、ブログに記録し、X(旧Twitter)や食べログなどで寸評を発信する。そのスピードは、一般客の口コミと比べものにならないぐらいに早い。最初に自分たちのラーメンを世の中に翻訳してくれる存在──多くの店主がそう語る理由はそこにある。

 そして、その翻訳がポジティブであるかどうかで、店が1年以内に繁盛店となるか、長期戦を強いられるかが大きく変わってしまう。

 都市部のラーメン店は、開業から半年~1年のあいだに火がつくかどうかが一つの勝負どころだ。逆に言えば、その期間に火がつかない店は、その後の立て直しに時間と労力を要する。だからこそ、オープン初期にはラーメンフリークの感性にある程度寄せた商品設計を行い、彼らの発信力を「点火装置」として活用する戦略が大事になる。

 では、彼らをどう意識すべきなのか。まずは、商品開発段階から「ラヲタが語りたくなる要素」を仕込むことがひとつの方法だ。麺の太さや質感、特徴的な具材や食材、香りの立たせ方、スープの濃度や塩味設計など、「この店はこういう意図で作ってきたのか」と読み取れるポイントを、あえて一つか二つ配置しておく。そして、その魅力をPOPやメニューで情報化しておく。ラーメンフリークがそれを拾い、言語化してくれることで、SNS上での評価がブレずに伝わるのだ。

次のページ:オープン初期と半年後で商品が変化する“事情”

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