野菜たっぷりのチャーメンはつまみとしても超優秀
お酒はいつ飲んでもいいものだが、昼から飲むお酒にはまた格別の味わいがある――。ライター・作家の大竹聡氏が、昼飲みの魅力と醍醐味を綴る連載コラム「昼酒御免!」。連載第22回は、カキフライに振られた末に辿り着いた老舗ラーメン屋で、絶品つまみに焼酎の杯を重ねる。【連載第22回】
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寒くなったからカキフライを喰いに行きたいなと思いつつ、バタバタしているうちに2月に入ってしまった。カキフライくらいどこでも食えるだろうよ、と思わないでもないけれど、せっかくなら、うまい店がいい。ビールかワインか、ウイスキーのソーダ割りなんか楽しみながら、軽い昼酒のアテに、うまいカキフライを喰いたい。というのが正確なところなのだろう。
飲み友ケンちゃんに、カキフライはどうだろうかね、と問い合わせたところ、どこか行ってみたい店はないかと逆に問われ、はたと考えた。浅草のレストラン大谷さん、どうかな。人形町の老舗も行ってみたいし、いやいや、私の場合、出身地である多摩エリアにも馴染みの店はある。
東八道路(東京八王子道路の略で、私ら三鷹っ子はその昔、30メーター道路と呼んでいた道)沿いにあるレストラン「HOMER」である。創業は1970年。昭和で言うと45年である。うまくて、やすくて、いい店なのだ。ビールだけでなく、ワインもウイスキーもおいている。
どうしようかな。迷いに迷う。カキフライをどこで食べるか。それだけのことに迷って、ああそうか、以前から気になっていた店にしよう、と思い立った。
そしてケンちゃんと私は四谷の某店の前で待ち合わせた。2月の初旬、寒い日だった。
おお! と叫び声が出た。行列ができていたのだ。その列の中からケンちゃんが「ここですここです」と手招きしていた。
時刻はすでに午後2時。昼時を外せば3時半のクローズまでに飲み食いができると読んで2時に集合したのだが、この列の長さでは、入るまでに30分はかかりそうだ。カキフライひと皿とビール1本では、昼酒御免! と啖呵を切れるものではない。
