三菱重工は防衛関連株の代表銘柄(写真:時事通信フォト)
「国策に売りなし」という格言がある。国が政策として注力する分野の株は、長期的に上昇が期待できるという意味だ。では、そうした分野の株をどのように絞り込んでいけばよいか。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第188回は、「政府の成長戦略」について。
誰でも無料で見られる「宝の地図」
株式投資の世界に「国策に売りなし」という格言があります。政府が力を入れる分野の株は、長期的に上昇しやすいという意味です。実際、防衛関連株や半導体株は、政府の後押しを受けて大きく値上がりしてきました。では、次に国が本気で推し進める分野はどこでしょうか。それを知る「宝の地図」が、実は誰でも無料で見られる場所にあります。
それは、内閣官房が公表している「日本成長戦略」の資料です。この資料には、政府がこれから重点的にお金と政策を投入する17分野が明示されています。
AI・半導体、防衛産業、航空・宇宙、量子コンピューティング、水素エネルギーなど、今後10年の日本の成長を牽引すると国が見込んでいる分野が一覧になっています。しかも資料には具体的な市場規模の試算まで記載されており、たとえばAIロボット市場は2040年に約60兆円、空飛ぶクルマは約200兆円という桁違いの数字が並んでいます。
これらはまさに長期テーマの代表例です。長期テーマとは、数週間~数ヶ月で終わる短期テーマとは違い、政府方針や技術革新、人口動態などを背景に5~10年以上続く大きな流れのことです。途中で株価が調整する局面があっても、テーマそのものが消えるわけではないので、握力を持って保有し続けやすいのが特徴です。
マクロからミクロへの絞り込み
この資料を使って、実際に銘柄を絞り込む流れを見てみましょう。
たとえば防衛産業なら、まず「小型無人機(ドローン)」「艦艇」「デュアルユース技術」という3つのサブテーマに分解できます。
次に、防衛と言えばこれ、というべき「本命銘柄」(三菱重工、川崎重工、IHIなど)を押さえ、さらにその周辺で恩恵を受ける部品メーカーや素材株、ETF(上場投資信託)へと視野を広げていきます。このマクロからミクロへの絞り込み方は、17分野すべてに応用できます。
注意したいのは「飛びつき買い」です。ニュースで話題になった直後は急騰している場合があります。その後いったん利益確定売りにおされて下落し、その後また買われる場合も多いので、押し目買いに徹するのがよいでしょう。できれば、まだそれほど市場が注目していない「仕込み段階」で入るのが理想です。政府の公式資料は、そのための早期アンテナとして非常に有効です。
まず内閣官房のサイトで「日本成長戦略」を検索し、17分野の中から自分がピンときた分野を1つ選んでみてください。そこから投資のヒントが広がっていきます。
