8日には米国とイランの間で再び軍事衝突が発生し、戦争が早期に終結するとの期待がやや後退する状況となるなど、中東情勢の不透明感は依然として強い状況にある。ただ、今週には米中首脳会談の開催が予定されており、この前後では状況改善に向けた流れが強まるとの期待は高いものと考えられる。仮に、首脳会談後も中東情勢に変化がみられなければ、戦争の長期化リスクが一気に頭をもたげてくる公算は大きいと考えられる。この場合、原油高や資材調達難による業績への影響が強く意識されることになっていこう。ちなみに、現在の株式市場は戦争の早期終結期待が反映されている印象が強く、戦争終結に伴うポジティブインパクトは早い段階で収まってしまう可能性も高いといえよう。
国内では、今週も主要企業の決算発表が目白押しとなる。11日には第一三共<4568>、JX金属<5016>、イビデン<4062>、住友鉱<5713>、日本郵船<<9101>、12日には三菱重<7011>、住友電<5802>、パナHD<6752>、ダイキン<6367>、古河電<5801>、川崎重<7012>、13日にはソフトバンクG<9984>、三井住友<8316>、武田薬<4502>、INPEX<1605>、レゾナック<4004>、三井金属<5706>、SCREEN<7735>、14日にはフジクラ<5803>、SMC<6273>、ENEOS<5020>、大成建<1801>、15日にはキオクシアHD<285A>、リクルートHD<6098>、三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>などが発表を予定している。
大手電線株を中心としたAI関連株のほか、AI・半導体株からの資金の受け皿となり得る防衛関連株の決算などが特に注目されよう。一方、建設株のほか、タイヤや化学株など、資材不足、資材価格高騰の影響が懸念されるセクターのガイダンスなどにも注意したいところ。
8日の取引時間中に決算を発表したトヨタ<7203>は、減益ガイダンスが嫌気されて売りが先行、足元の円安一服も重なって、自動車関連には幅広くマイナスの影響が想定される。また、任天堂<7974>も減益・減配ガイダンスを受けて時間外取引では売りが先行、全般的な材料価格上昇のマイナス影響を意識させることになろう。決算発表のタイミングが遅い企業ほど、中東情勢リスクの長期化がガイダンスに反映されてくる余地が大きいとみられることには注意。
今週にかけて、国内では12日に3月家計調査、3月景気動向指数、4月27-28日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、13日に4月景気ウォッチャー調査、14日に4月マネーストック、15日に4月国内企業物価指数などが予定されている。
海外では、11日に中・4月生産者物価指数、4月消費者物価指数、米・4月中古住宅販売件数、12日に独・5月ZEW景況感指数、米・4月消費者物価指数、4月財政収支、13日に欧・3月ユーロ圏鉱工業生産、米・4月生産者物価指数、14日に米・4月輸出入物価指数、4月小売売上高、新規失業保険申請件数、15日に米・4月鉱工業生産・設備稼働率、5月NY連銀製造業景気指数などが発表される。なお、14日から15日にかけてトランプ米大統領が訪中予定となっている。