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藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

現物不動産投資とREITの“いいとこ取り”商品「不動産デジタル証券」を解剖 少額から投資でき物件を身近に感じられるメリット 流動性は低いものの安定配当を得たい人向け

近年、増えてきている不動産デジタル証券とは?

近年、増えてきている不動産デジタル証券とは?

「不動産投資に興味はあるけれど、マンションを買うほどの資金はない」。そう感じている人にとって、新しい選択肢になりつつあるのが不動産デジタル証券だ。特定のマンションやホテル、商業施設などに比較的少額から投資できる一方で、J-REIT(不動産投資信託)とは異なる点があることには注意をしたい。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第191回は、「不動産デジタル証券」について。

よりリアルに自分が投資する物件が分かりやすい

 インフレが進行する中、不動産投資を始めたいと考える人が増えているように感じます。とはいえ、リアルな物件を買うにはそれなりに資金が必要です。そんな方にとって選択肢の一つになるのが、不動産デジタル証券(ST=セキュリティトークン)です。

 不動産デジタル証券は、2020年の金融商品取引法改正により法整備が進んだもので、簡単に言えば「現物不動産投資」と「J-REIT」の“いいとこ取り”をした中間的な性質を持っています。SBI証券などの証券会社でも取り扱っており、普通の株式取引と同等のオンライン環境で完結するため、すでに口座を持っていればスムーズに資金移動や投資が可能です。

 REITは、プロが多数の物件でポートフォリオを組んだものですが、不動産デジタル証券は、プロが1~7物件程度を投資対象として選んだもので、よりリアルに自分が投資する物件が分かりやすいと言えます。

不動産デジタル証券に投資するメリット

【1】物件に対する「手ざわり感」がある

 J-REITが「複数物件の詰め合わせパック」であるのに対し、不動産STは「○○区の○○マンション」と投資対象が明確です。自分がどの不動産のオーナーになっているのかを実感しやすく、納得して投資できます。

【2】日々の値動きに振り回されにくい

 証券取引所に上場していない非上場商品が中心です。価格は株式市場の需給ではなく、定期的に行われる不動産の鑑定評価額に基づいて決まるため、株式相場の暴落などに巻き込まれるリスクが低く、腰を据えた運用が可能です。

【3】少額から優良物件に投資できる

 現物不動産の購入には多額の資金やローンが必要ですが、不動産デジタル証券なら少額から、個人では買いにくい大型の商業施設や高級レジデンスなどにも投資が可能です。

【4】税制上の優遇措置

 株式やJ-REITと同様に「申告分離課税」が適用されるため、他の上場株式等との損益通算が可能です。

【5】独自の優待(ユーティリティ)

 投資対象がホテルや温泉施設などの場合、金銭的な配当に加えて、宿泊割引券や優先予約権といった非金銭的な特典が付与される案件もあります。

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