*11:07JST ティア Research Memo(7):積極出店によるシェア拡大とTLD領域の拡張により、年率2ケタ増益を目指す(1)
■ティア<2485>の中期経営計画
1. 中期経営計画の概要と数値目標
2025年11月に発表した中期経営計画(2026年9月期~2028年9月期)では、「新生ティアグループ」のスローガンの下、1)ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充、2)TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化、3)計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上、4)上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こしの4点を重点テーマとして取り組む方針だ。
最終年度となる2028年9月期の業績目標は、売上高25,790百万円、営業利益2,545百万円、経常利益2,330百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,340百万円としており、3年間の年平均成長率は売上高で6.1%、営業利益で15.7%と利益ベースで高成長を見込んでおり、最終年度の営業利益率は9.9%と前期の7.6%から2.3ポイント上昇する見通しだ。グループ店舗数は290店舗(うち、FC店107店舗)と3年間で71店舗の増加を見込んでいる(うち、FC店舗は33店舗増)。業績計画は、2026年9月期の業績予想をベースに、2期目以降の売上高は既存店売上を横ばいとしつつも、新店稼働による増収を見込んでいる。経費についても2期目以降の既存店は横ばいを前提とし、新店稼働に伴う人件費・広告宣伝費・その他経費の増加を見込んだ数値となっている。
葬儀件数は新規出店効果により年率7.9%で増加する一方、葬儀単価は低料金プランの葬儀ニーズ増加も考慮して緩やかな下落を前提としている。また、「ティア」ブランドの全国展開に向け、引き続きM&Aも前向きに検討しているが、業績計画には織り込んでいない。
既述のとおり、葬儀需要に影響する死亡数が2025年後半以降、前年比で減少に転じ、その影響で同社の葬儀件数も想定を下回るペースとなっている。死亡数の減少要因は構造的なものではなく、2021年以降、死亡数が想定を上回るペースで増加した反動減の可能性が高く、2026年後半以降は緩やかな増加ペースに回帰すると弊社では見ている。一方で、地盤である名古屋市内のシェア動向は注視する必要がある。「小さなお葬式」のブランドで全国展開している(株)ユニクエストが、今後1年間に愛知県内で直営17店舗を開店する計画を発表しており、顧客獲得競争のさらなる激化が予想されるためだ。愛知県は日本でも最も競争が激しい地域であり、その地域でシェアを拡大し成長を続けてきた同社にとって、名古屋市内でシェアを維持できなければ、他地域でのシェア拡大戦略にも影響を及ぼす可能性がある。
2. 重点施策
(1) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充
出店計画については、東海・関西・首都圏エリアにおいてドミナント戦略により継続的な出店を行い、地域内シェアの拡大を図る。年間の出店ペースは、ティア直営で5~7店舗、八光殿で3~4店舗、東海典礼で3店舗となり、ティア北海道も2027年9月期より年間2店舗ペースで出店する計画である(うち、1店舗は2026年10月開店予定)。
2026年6月時点で41店舗を出店している名古屋市内においては、新興の葬儀社が進出してきたことから、今後も空白地帯を埋めるための出店が継続される可能性がある。関西圏については八光殿が主体となって出店を進めるほか、FC加盟企業である南海グリーフサポートとの連携により出店を進める。直近では2026年夏に「ティア香芝五位堂」を開店し、奈良県に初進出を果たす。FC展開については、既存オーナーによる出店に加え、新規加盟企業の獲得による出店増を見込んでおり、年間10〜12店舗のペースで拡大を進める方針である。
同社では、多様化する葬儀ニーズに対応するため、マルチブランドを2023年から推進してきた。具体的には、社葬や大規模葬に対応する「ティアPREMIUM」、一般葬から家族葬までを対象とする「ティア」、そして一日葬及び火葬式に対応した「ティアシンプル」の3ブランドを展開してきた。「ティアシンプル」については、2024年4月より東海典礼の「ティア」会館で、同年6月には関西エリア(直営及び八光殿)でWeb経由での受注を開始するなどサービスエリアを広げたことも奏功し、2025年9月期の取扱件数が1,800件超と前期比で約2割増加した。「ティアシンプル」によって非会員の需要を取り込むことで、葬儀件数の増加につなげていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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