*11:41JST アール・エス・シー Research Memo(1):新中期経営計画を公表、2031年3月期に売上高140億円を目指す
■要約
1. 会社概要
アール・エス・シー<4664>は2021年に創業50周年を迎えた総合ビルメンテナンス企業であり、人材サービスも展開している。「信頼されるサービスを提供し、人が生活するあらゆる場面において、常に安全・安心・快適な環境を創造していきます」を経営理念に掲げ、「サンシャインシティ」や「丸の内ビルディング(以下、丸ビル)」など、日本を代表するビルの管理業務を手掛けている。創業来の主力である警備保障に加え、清掃、設備・受付、人材サービスなどを組み合わせた総合的なサービス提案に強みがあり、業績は堅調に推移している。今後は業界におけるDXに向けて、機械化や新技術(セキュリティロボットやAI等)を積極的に活用し、持続的な成長を目指す。
2. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.9%減の8,232百万円、営業利益が同27.8%減の217百万円と減収減益となった。主力の「建物総合管理サービス」(警備、清掃等)が新規案件の受注や既存事業所での契約条件の見直し(価格改定)により順調に伸長した。ただ、前期比で減収となったのは、「人材サービス」において、前期業績に寄与した大型周年イベントの反動減が理由であり、その点は想定内である。損益面でも減収による収益の押し下げに加え、人的資本投資(賃上げ等)や物価上昇による影響、将来に向けた先行費用等により減益となった。活動面では、大型複合施設での警備業務開始や関西地区での清掃業務の受託のほか、AI警備ソリューションの共同推進を目的とするソフトバンクロボティクス(株)※(以下、SBR)との資本業務提携などの成果を上げた。
※ ソフトバンクグループ<9984>のロボット事業及びフィジカルAI領域の中核を担う。業務用清掃ロボット市場や配膳ロボット市場での実績を有する。
3. 2027年3月期の業績見通し
新中期経営計画初年度となる2027年3月期の連結業績については、売上高を前期比1.9%増の8,392百万円、営業利益を同46.2%減の117百万円と増収ながら減益を見込んでいる。前期に受注した大型案件の通年寄与や新規受注等により増収を確保する。一方、損益面で大幅な減益となるのは、新中期経営計画における投資フェーズにあたり、AI・ロボティクスへの投資やバックオフィスのDXに関わる先行費用によるものである。
4. 新中期経営計画
同社は2026年3月に中期経営計画(2027年3月期~2031年3月期)を公表し、1) 既存事業の拡大・筋肉質化、2) M&A戦略、3) 人的資本投資×AI警備を中心としたDX投資を基本戦略に掲げた。最終年度に売上高140億円(5年間の平均年成長率11.2%)、営業利益7億円(営業利益率5.0%)、ROE13%以上を目指す。また、前半2年間を成長基盤構築のための投資フェーズと位置付け、後半3年間での回収及び成長加速を図る。特にAIやDX、ロボティクスなど新技術の活用により、高付加価値化や生産性の改善、業務効率の向上等を進め、大型複合施設の受注やエリア管理の強化、ワンストップソリューションの高度化につなげる。
■Key Points
・2026年3月期は減収減益も、既存事業は堅調に推移。大型複合施設での警備業務開始やAI警備ソリューションに関わる業務提携などで成果
・2027年3月期は将来を見据えた先行費用により減益の見通し
・新中期経営計画では、既存事業の拡大と、M&A及びDXへの戦略投資により、売上高140億円・営業利益率5%以上を目指す
■事業概要
「サンシャインシティ」や「丸ビル」などのビル管理業務のほか、人材サービスも展開。AI・ロボットの活用にも積極姿勢
事業セグメントは、「建物総合管理サービス事業」と「人材サービス事業」の2つで、「建物総合管理サービス事業」が売上高全体の大部分を占める。各事業の概要は以下のとおりである。
1. 建物総合管理サービス事業
官公庁や民間企業の事務所ビルをはじめ、店舗・ホテル・病院等各種建物に対する警備保障・清掃・オフィスサービス(受付など)・設備管理などを行っている。「サンシャインシティ」や「丸ビル」など、日本を代表するビルの管理業務を含め、コアとなる継続受託施設数は200を上回る(臨時受託・巡回警備を除く)。仙台支店、名古屋支店、大阪支店のほか、子会社には(株)アール・エス・シー中部(名古屋)や2023年2月にグループインした友和商工(株)、2025年1月に清掃品質の向上を目的としてグループインした(株)クリーンフォース、2号警備(交通誘導・雑踏警備など)やイベント警備に特化した(株)RSCセキュリティ(2025年9月設立)を有し、東京地区における売上構成比が高い。また、任意団体「警備員研修所」の運営にも携わっており、サービスの品質向上や人材育成にも注力している。2018年1月には警備品質の向上や新サービスの創造等を目的にセコム<9735>と業務提携契約を締結し、セキュリティロボットやAI活用などで連携を図っている。2023年8月にはAI警備システムの開発・販売を行う(株)アジラと業務提携契約を締結すると、2024年9月から「サンシャインシティ」の各エリアにおいてAI警備システムの本格運用を開始した。さらに2025年11月にはSBRとのAI警備ソリューションの共同推進を目的とする資本業務提携を公表するなど、次世代型警備サービスの確立に向けて着々と布石を打っている。
2. 人材サービス事業
1986年からスタートした事業であり、オフィス・事務関連、営業・販売・サービス関連、IT関連、製造・物流・軽作業、イベント関連などで構成されている。「建物総合管理サービス事業」との親和性が高く、総合的な提案力を形成する要素でもある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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