*11:04JST 日産東HD Research Memo(4):ストックビジネスやベストプラクティスなどに強み
■日産東京販売ホールディングス<8291>の事業概要
2. 同社の強み
「CASE」や「MaaS」の時代に、同社が総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位性を発揮できるのは、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、地域に根ざした店舗ネットワーク、ベストプラクティスといった強みがあるからである。
(1) EV販売のパイオニア
同社は、EVの販売やサービスで長年蓄積してきたノウハウを有し、EV販売のパイオニアとして業界をリードしている。充実したラインナップを背景に累計16,000台超のEV販売実績があり、家庭用充電器の販売やEVに蓄えた電力を自宅で使うことができるV2H(Vehicle to Home)の提供など、コンサルテーションも行っている。先端技術にも対応できるメンテナンス体制は、日産EV認定整備士約700名、エヌティオートサービスのEV重整備工場3ヶ所を有し、EVの急速充電器も各店舗を中心に約100基配備している。
(2) 顧客基盤35万件のストックビジネス
同社には、新車や中古車の販売、個人リース、13万件超の整備のためのメンテナンスパック会員、利用率約50%の金融商品、約13万件の保険付保などを通じ、35万件の顧客基盤を構築している。同社はこうした顧客基盤をベースにストックビジネスを展開、営業費の約90%をカバーできる額のストック収益を確保している。このため、新車販売台数が前期比13.2%も減った2026年3月期も、全社では高水準の利益を確保することができた。
(3) 地域に根ざした店舗ネットワーク
同社は東京都都心8区※を除く東京都全域を地盤とし、東京都約1,400万人の人口の約9割をカバーしている。新車販売95店舗(ルノー店3店舗を含む)、中古車販売18店舗、「車検館」13店舗、エヌティオートサービス8拠点という店舗ネットワークを軸にモビリティ事業を展開している。特に新車販売店舗は、ドミナントを一層強化するため、新世代店舗へのリニューアルを進めて購買力の強い東京の消費者にさらに密着していく考えである。
※ 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、豊島区の東京都都心8区のことで、法人需要をメインとする日産自動車の連結子会社が展開しているエリアである。
(4) ベストプラクティス
ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開するベストプラクティスも同社の強みである。同社はこれまでベストプラクティスによって、顧客ニーズにあわせた商品提案力を磨き、販促や営業のヒット率を向上してきた。その結果、制度や仕様面の説明が難しいといわれるEV販売や個人リースに関して、競合他社に対して優位性を築いてきた。東京という高コストのエリアを地盤にしていながら、自動車ディーラーとしては高い水準の営業利益率を実現しているのも、ベストプラクティスによる採算改善によるところが大きい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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