AIの出力をそのままコピペしたレポートなどが散見されるという(写真:イメージマート)
生成AIで作った翻訳文などをそのまま外国語課題の答えとして提出した経験がある大学生が約36%にのぼる──。6月20日、共同通信が獨協大の木村佐千子教授の全国調査の結果を報じ、学生の“AI依存”の実態が大きな注目を集めた。ChatGPTや翻訳ツールは、いまや学生にとって身近な学習補助ツールとなっているが、一方で、大学教員にとっては指導コストが高まり、成績評価に影響が出るなど問題も山積みだという。AI時代に変わりゆく大学教育のあり方について、教員たちの声を集めた。
「36%どころではない」課題の採点で感じる“AI文体”の増加
都内の私立大学で人文系科目を担当する女性教員・Aさん(30代)は、今回の調査結果について「現場レベルでは、もっと使われている印象があります」と語る。
「もちろん、“AIを使ったから即アウト”という話ではありません。問題なのは、内容を理解しないまま、AIの出力をそのままコピペしているリアクションペーパーやレポートが散見されることです。授業で扱っていない専門用語や学術用語が急に出てきたり、明らかに勤務校の学生のものとは思えない文体だったりする。採点をしていると、『これは自分で考えていないな』と感じる答案が年々増えています」(Aさん)
Aさんの講義では、抽象的な概念を散りばめてはいるものの、講義内容との接続が不明な期末レポートが目立つようになった。
「AIは講義科目に関連しそうな概念やキーワードを拾って、いかにもそれっぽい文章を作るのがうまい印象です。ただ、講義内容との関連がない記述も目立つ。教員からすると、『講義に出席せずに、レポート課題をAIに投げて生成させたのだな』とすぐに分かります。
AIが広がる以前は、文章は拙くても、学生が課題と格闘した痕跡が見えたのですが、最近は無味乾燥な機械的な文章が増えています。攻略ゲームのように単位を取るだけでよいならば、大学でわざわざ学ぶ意味はあるのか。老婆心ながら疑問に思うこともあります」(同前)
