フェミニズムの授業のコメントに「フェミババア」「女尊男卑」
こうした容姿への攻撃は、しばしば講義の内容ともセットになり、より攻撃的な言動につながることもある。都内の私立大学でジェンダー論やメディア文化について講義をしている女性教員・Cさん(40代)も、こうした攻撃的なコメントを受けた経験がある。
「授業では女性差別の歴史やメディアや芸術表現におけるジェンダー表象に関する内容を扱っています。大半の学生は、真剣に話を聞いてくれていますし、『フェミニズムを誤解していました』『女性解放運動の歴史をしっかりと学べてよかった』、『身近な差別の問題に気づけた』と、真剣にコメントを書いてくれる学生もたくさんいるんです。
ただ、厄介なのが授業を自ら履修しているにもかかわらず、フェミニズムの風潮自体を揶揄したり、攻撃したりしたい学生がいることです。たとえば、授業評価アンケートやコメントシート(リアクションペーパーと同様のもの)に、『女尊男卑の差別主義者ですね』『所詮、フェミババアの感想でキツかった』『女さんのムーブ』などと書かれたことがあります」(Cさん)
「女さん(おんなさん)」とは、インターネット上で、女性を揶揄したり批判したりする際に使われるスラングだ。Cさんは、講義中も「節度を守り書き込みをするように」と注意をしているというが、毎年、受講生のなかには一定数、こうした攻撃的な姿勢を見せる学生がいると話す。
「こちらは特定の学生を責めたり、講義で男性の存在そのものを批判しているわけではありません。社会構造やメディア表象の問題性を論じているんです。しかし、こうした議論を脊髄反射的に『オトコを攻撃した! 自分が否定された!』と感じる学生がいます。意見の違いや理性的な批判は大歓迎ですが、人格否定や容姿への攻撃は正当化できません。教員は、ストレスのはけ口ではありません」(同前)
授業内容への合理的な批判と、教員に対する人格攻撃の線引きが曖昧になれば、健全な授業運営は難しくなる。教育改善のための仕組みそのものが、教員を攻撃する窓口になっているケースは、やはり問題だろう。学びの場にふさわしい、責任と最低限のマナーが、学生たちには求められる。
▼▼▼第1回▼▼▼
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