*14:43JST 国内株式市場見通し:ジャクソンホール会議とエヌビディア決算が二大イベントに
■日米長期金利上昇や中東情勢の不透明感で日経平均は反落
今週の日経平均は先週末比2697.44円安(-3.9%)の66016.36円で取引を終了した。週初は、国内長期金利が約30年ぶりの水準まで上昇して下げに転じる場面もあったが、AI・半導体関連株が上昇して相場を押し上げた。ただ、週央にかけては連日の大幅安となった。トランプ米大統領がイランとの覚書の延長を求めていないと発言し、中東情勢の先行き不透明感が再燃する形となった。日本銀行の早期追加利上げ観測が強まる中、長期金利の上昇が続いて、ハイテク株の売り材料ともされた。米国30年債利回りが19年ぶりの高水準にまで上昇したことや、7月小売売上高の下振れなど、米国景気の先行き懸念なども弱材料視されることとなった。19日にはTOPIXも3%超の大幅下落となっている。
週後半にかけてはやや下げ渋りの動きとなる。米財務省が国債の買い入れ額の上限を引き上げると発表したことで長期金利が低下、米国株の上昇につながった。また、大規模な自社株買いが期待され韓国の半導体株も上昇し、東京市場でも押し目買いの動きが優勢となった。週末も、日米長期金利の上昇で売りが先行したものの、AI・半導体関連株への買いが優勢となったことから、安値水準からは下げ渋って取引を終えている。
■米利上げ懸念後退でもジャクソンホール会議への注目度高い
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比517.80ドル高の53277.01ドル、ナスダックは同113.29ポイント高の26180.46で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比270円安の66090円。一部小売り企業の良好な決算やサービス業購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標を好感。イラン大統領が戦争終了を訴えて中東脅威が緩和したこともポジティブ視された。金利上昇にもかかわらず前日の反動による買戻しが優勢だったもよう。
27日から29日までジャクソンホール会議が開催予定となっており、とりわけ、28日に予定されているウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)議長の基調講演が注目材料となる。足下ではインフレ指標の下振れが目立つほか、景気減速を示す経済指標も多く、目先の追加利上げ懸念は大きく後退している。悪材料につながる公算は小さいとみられるが、ウォーシュFRB議長はフォワード・ガイダンスに消極的な姿勢を貫いており、こうした方針を明確に打ち出すような発言などがあれば、株式市場にとってはネガティブと捉えられる余地があろう。なお、米国に関しては、短期的な利上げの有無よりも、上昇基調が続く長期金利の動向、雇用統計や小売売上高の大幅な下振れが示すような景況感の悪化に焦点が向かいつつあると考えられ、これらは引き続き、株式市場の上値を抑制することになろう。
国内では、中東情勢の短期的な改善期待が遠のき、依然としてインフレ高進懸念は拭えない情勢にあり、日米協調の為替介入実施などからも、日本銀行の9月追加利上げ実施の可能性は高いと考えられる。今後の企業収益に与える影響などは十分に織り込まれていないと考えられるほか、円高進行につながっていく余地もあることから、株式市場へマイナスインパクトを及ぼす余地は引き続き残されていよう。ちなみに、28日には8月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表予定となっている。
■エヌビディア決算後のAI・半導体株の行方焦点
26日には米エヌビディアが決算発表を予定している。決算発表後の株価動向が、国内のAI・半導体関連株の行方に大きな影響を及ぼしそうだ。前回は市場予想を上回る好決算を発表したものの、直後の株価は下落している。最近の海外主要半導体株も総じて、好決算発表後は売りが先行する状態となっているため、今回も同様の動きとなる可能性は高いと考えられる。ちなみに、現在の株価水準はほぼ前回決算発表時の株価水準にある。さらに翌日にはマーベル・テクノロジーの決算発表も予定。こちらは、7月29日の直近安値水準から50%以上株価が上昇しており、より決算発表が目先の出尽くし感につながりやすい状況にあるとも想定される。一方、AI・半導体株の動きとは逆行しやすい情報ソフト関連株だが、26日にはSAASの代表格でもあるセールスフォースが決算発表を予定している。
国内は材料難の状況で、海外半導体株の動向を睨みながらの関連株物色が中心的な動きとなろう。長期金利上昇や追加利上げを意識した物色なども強まっていく余地がありそうだ。また、イラン情勢が一段と混とんとする中で、あらためて手控えられるセクター、海運株などのように買われる銘柄の選別が進んでいく可能性もあるとみる。8月中盤からの気温上昇を映した販売回復期待などが小売株の見直し材料となる余地も。
■ジャクソンホール会議が開催予定
来週、国内では、25日に7月全国百貨店売上高、26日に7月企業向けサービス価格指数、28日に7月失業率・有効求人倍率、8月東京都区部消費者物価指数が発表される。
海外では、25日に独・8月Ifo景況感指数、米・6月住宅価格指数、6月S&Pケースシラー住宅価格指数、7月新築住宅販売件数、8月コンファレンスボード消費者信頼感指数、26日に米・4-6月期GDP(改定値)、7月耐久財受注、7月個人所得・個人支出・デフレーター、27日に米・新規失業保険申請件数、28日に米・8月シカゴ購買部協会景況指数などが発表される。なお、27日から29日までジャクソンホール会議が開催され、28日にはウォーシュFRB議長が基調講演を予定。
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