主なAI・半導体関連企業の「3年平均利益成長率ランキング」をどう読み解くか(写真:イメージマート)
AIの発展に伴って需要が急拡大している「半導体」業界。なかでも株式市場で一躍脚光を浴びたのが、半導体メモリ大手・キオクシアホールディングス(HD)だ。同社をはじめAI・半導体関連銘柄の株価急騰は日経平均株価を7万円台に押し上げたが、7月には急落。ただ、依然としてAI・半導体関連が注目テーマであることに変わりはない。個別の銘柄をどう評価していけばいいのか。
AI・半導体銘柄の先を見通すために、金融情報サービス会社・アイフィスジャパンの協力を得て、日本の主なAI・半導体関連銘柄の将来性を判断するうえでカギとなる「当期利益」の3年後までの伸び率を予測した「3年平均利益成長率ランキング」を作成した。
アイフィスジャパンは主要証券会社16社のアナリストによる業績予想をもとに算出した「IFISコンセンサス」を機関投資家などに提供するほか、個人投資家向けに「IFIS株予報」をYahoo!ファイナンスなどで掲出する。今回は、主要アナリストによる3期先(2029年3月期など)の当期利益予想の平均値である「3期先コンセンサス予想」と前期(2026年3月期など)実績を比較し、3年平均成長率の高い順にランキング化。日本企業のAI・半導体関連と目される銘柄のなかから各種データを抽出できる42銘柄を一覧にした。
ソフトバンクグループが「最下位」の読み方
注目すべきは、1位になったキオクシアホールディングスと、最下位になったソフトバンクグループだろう。なぜこのような結果になったのか。
カブ知恵代表の藤井英敏氏は「株価は将来の業績を割り引いて現在の価値に戻しているため、3年先まで見通すことは現在の株価水準を見るうえで有用」としたうえで、ランキング全体を見渡した印象について分析する。
「やはりキオクシアHDが3年平均成長率で144%超と突出しているのが目につきます。同社の主力であるメモリの需要は逼迫しているため、メモリ価格の高止まりが続いている。そうした状況は少なくとも数年は続くと見られるため、このような予想は妥当と言えるでしょう。
一方で、ソフトバンクグループがこのランキングでは最下位となっていますが、これは前期(2026年3月期)が過去最高益を更新してスタート台が高かったことが大きい。同社は世界中の有望な企業への投資を繰り返す投資運用会社であり、これまでに投資してきた英アームや米オープンAIなどの成長次第なので、今後の伸びも期待される。もちろんAIの世界は競争が激しく、オープンAIの優位性がどこまで続くか評価するのは難しいですが、3期先コンセンサス予想が大きなマイナスの見通しだからといって悲観的に見る必要は一切ないと思います」(以下、「」内コメントは藤井氏)
このランキングの3期先コンセンサス予想は、あくまで各証券会社アナリストの予想の平均値である。藤井氏もキオクシアHDの評価については「正直、先々までは見通せない」として、こんな見方を示す。
「AIの膨大なデータ処理に不可欠なデータセンターの建設ラッシュが計画通りに進むなら、キオクシアへの需要はまだまだ続く。ただ、SKハイニックスやサムスン電子といった韓国勢が猛烈な勢いで設備投資を増やしており、メモリの供給が拡大すれば、メモリ価格の値崩れリスクも当然出てくるでしょう。もっとも、ここ2~3年は過度に心配するタイミングではないと思いますが、その先まで見通した場合はわからないというのが正直な気持ちです」
