*15:09JST 巴川コーポ Research Memo(9):2026年3月期は15.0円配当を継続、翌期も15.0円を予定
■株主還元策
巴川コーポレーション<3878>は、中期的視点に立って着実に株主価値を向上し、株主に対する適正な利益還元を経営の最重要課題として位置付け、安定配当を継続する方針としている。そのうえで連結・単体業績水準と内部留保の確保や財務体質の強化などを総合的に勘案し、2026年3月期は増益ながら15.0円配当を継続(配当性向15.7%)、2027年3月期も15.0円配当を継続する予定である。7月23日の上方修正によりEPS予想は45.42円から71.38円へ引き上げられたため、配当性向は当初想定の33.0%から21.0%へ低下する計算となる。利益水準の改善が確認された局面において、増配や追加的な自己株式取得といった株主還元の上積み余地が生じている点は注目される。
なお資本効率の向上及び機動的な資本政策・株主還元策の一環として、2024年11月に自己株式288,900株、2025年8月にも275,900株(193百万円)を取得した。取得した自己株式はM&A時の買収対価や中長期的な検討課題である株式報酬制度に供するなど、将来的なコーポレートアクションへの活用を予定している。第9次中期経営計画のキャッシュ・アロケーションでは、事業活動により生まれるキャッシュ約100億円を軸に累計設備投資130億円を実行しつつ、リスクに備えた資金流動性を維持したうえで株主還元(自己株式取得及び配当)を進めるとしている。ただしフリー・キャッシュ・フローは2025年3月期・2026年3月期と2期連続でマイナス、有利子負債残高も1年間で1,260百万円増加しており、成長投資と株主還元の両立に向けた財務戦略の明示が引き続き課題である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
<HN>