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ライフ

「鹿のせいで渋滞発生」奈良の路上で寝そべる天然記念物の鹿にクラクションを鳴らしてもよいのか? 弁護士が解説する“法律で保護される範囲”と“加害行為への処罰”

 他方、奈良県のHPでは奈良公園の鹿は野生動物であると説明しています。野生動物の場合、鹿は『鳥獣保護管理法』により、殺傷すると1年以下の拘禁刑か、100万円以下の罰金で処罰されます。ただ、報道されている悪戯や外傷のおそれがない程度の暴行では処罰されず、鹿への観光客の乱暴なふるまいの対処は難しかったりします。

 そこで奈良県では、都市公園条例施行規則の知事が定める遵守条項として「みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること及びそれに準ずる行為」を禁止しています。これは「それに準ずる行為」の範囲で、鹿がケガをしない程度の暴行やいじめを規制しようという狙いです。

 ともあれ、ご質問の鹿を路上からどかすためのクラクションは、人への暴行にもなるような大音量でない限り、上記に該当しないでしょう。また、通行上やむを得なければ「みだり」にも当たらず、過剰な心配は無用かと思います。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2026年9月25日・10月2日号

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