また、放置車両を押して路肩に移動することができないのであれば道路管理者に実情を説明して撤去を要請した上で、作業を待つしかありません。
とはいえ、出入口を塞がれ住民の生活に支障があるようなケースでは、放置車両の持ち主が住民に対して通行妨害の不法行為をしていることになり、被害の程度に応じて損害賠償の請求ができる可能性もあります。
ともあれ、生活が脅かされるほどであるなら、車両所有者に対して直接、車両の撤去を裁判所に請求でき、緊急の場合は判決を待たずに仮処分の申立てが考えられます。ただ、裁判には所有者の把握が必要ですし、判決等に基づいて撤去のための強制執行手続きを行なうにしても、レッカー車の手配などが必須になるため、現実的ではないでしょう。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2026年10月16・23日号