年々、資料の「見た目」のクオリティが上がっているという(イメージ)
仕事での企画提案から就職活動、大学の授業まで、自分の考えをわかりやすく伝えるプレゼンテーション。その印象を左右する資料の見栄えも、テンプレートなどを活用することで整えやすくなっている。
大学でも、学生が作る資料の完成度に驚く教員がいる一方、「見た目は立派でも内容が薄い」「レポートになると文章が書けない」といった声もある。資料作成に使うツールが変わるなか、教員たちが実感する変化とは──。【Z世代大学生のIT学習環境・前後編の前編】
「高校生の頃からCanva」「パワポは使ったことがない」
都内の中堅私立大学に勤務する大学教員の男性・Aさん(40代/経営学部)は、ゼミの学生やワークショップの受講生が作る資料について、年々、見た目のクオリティが上がっていると語る。
「昨年くらいからでしょうか。ゼミ生や演習授業の履修生たちのプレゼン資料が、大きく変化しました。『デザイナーが作ったのかな』と思うくらい、きれいな資料を出してくるんです。
この変化には、年配の教授もびっくりしています。どうやって作ったのか聞くと、『Canvaで作りました』、『高校生の頃から使っています』と言うんです。さらに驚かされるのが、『パワポ(PowerPoint)は一度も使ったことがないです。全部タブレットとCanvaで完結します』という学生もいることです」(Aさん)
Canva(キャンバ)は、プレゼン資料やSNS投稿画像、ポスターなどを作れるデザインツールだ。スライド作成を主な用途とするPowerPointに対し、幅広い制作物を扱う。豊富なテンプレートが用意されており、文字や画像を差し替えながらデザインを整えることができる。
ただ、Aさんによれば、いざ学生のプレゼンが始まると、当初の期待が裏切られることも少なくないという。
「資料の見た目は素晴らしいのですが、とにかく内容が薄い……。最後に参考文献を載せるよう指導したら、まとめサイトやYouTube動画のリンクを貼っていたこともしばしば。リンク先の内容を説明できない、というケースもあります。スライド自体は、絵やデザインでそれらしく整えられていても、肝心のプレゼン内容が伴っていないことが懸念点ですね」(同前)
