投資

AI、ビッグデータ活用ファンドのメリット、デメリット

 こうしたAIやビッグデータを活用したファンドは何本も出ているが、共通しているのは、銘柄を選別する部分でAIおよびビッグデータを使い、最終的に投資する銘柄を決めるのは人間(=ファンドマネージャー)という点である。AI、ビッグデータの運用は、データ分析専門の会社がおこなっているケースが多い。

 コンピュータにプログラムされた運用モデルを用いて銘柄の選出をするファンドは、2009年7月に設定された『日本株ロボット運用投信』(T&Dアセットマネジメント)のように、以前から存在していた。

 ここ数年でAIやビッグデータの解析技術は飛躍的な進歩を遂げており、昨年から登場しているのは、その成果を取り込んだ新しいタイプといえる。

有望銘柄の発掘に役立つ可能性

 こうしたファンドのメリットとして、まず挙げられるのは、有望な中小型株の発掘が効率的におこなわれる可能性が高い点だ。

 個別銘柄の分析をするファンドマネージャーやアナリストの数は限られているため、すべての銘柄をカバーすることはできない。株式の時価総額が小さい中小型株となれば尚更で、これは日本のみならず海外の株式市場でも同様だ。そうしたリサーチが及ばない部分を、AIやビックデータ解析が補ってくれることが期待される。

 また、信託報酬などのコストが比較的安いのも大きなメリットだ。このジャンルの主なファンドを見ると、信託報酬は高くても1%台半ばとどまっている。おそらく、銘柄をリサーチする過程において、人間ではなく運用モデルを用いていることが影響しているのだろう。

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