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『おんな城主 直虎』の視聴率低迷が示す景気サインとは?

「景気が悪くなると『笑点』が『暗い気分を笑いで吹き飛ばしたい』という人々の心をつかむのではないでしょうか。日曜夕方に外出もせず家でテレビを見ている人が多いというのも、消費の悪化を示しているといえます」

 ちなみに、2017年になってから『笑点』が1位となっている週は、8月までの間にわずか2回。視聴率のデータは、個人消費の底堅さを示しているといえる。

「強い女性」ドラマのヒットは 景気後退のサイン!?

 もうひとつ、テレビの視聴率と景気の間に、興味深い相関があるという。

「強い女性が主人公のドラマがヒットする年は、景気が後退していたり、経済がもたつく局面であることが多い」(宅森氏)

 たとえばこの10年で最高の視聴率をたたき出したNHK大河ドラマは、島津藩の養女として徳川家に嫁ぎ、江戸城を無血開城に導いた功労者の一人、天璋院篤姫の生涯を描いた『篤姫』だ。この大河ドラマの年平均視聴率は24.5%と高水準だったが、放映された2008年は、何を隠そう「100年に一度の金融危機」とされたリーマン・ショックの年である。さらに、アジア金融危機が発生した1998年には、「落ちこぼれOL」が理不尽な男性社会と戦う『ショムニ』(フジテレビ系)が大ヒットしている。

 金融危機の最中で大ヒットした『ショムニ』は、5年後となる2013年、今度はアベノミクスによる好況期にリバイバル作『ショムニ2013』が放映された。しかし、景気拡張期の雰囲気にそぐわなかったのか、全10回中6回の視聴率が1ケタ台に沈む大不振だったという。

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