中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

昭和末期の小学生、筆箱・自転車・色鉛筆で実感した家庭の格差

色数の多い色鉛筆を持っている子供が羨ましい

 今や40代となった昭和末期の頃の小学生は、とかく他人の家の経済事情を気にしていた。「学校に色々なモノを持ってきては自慢する金持ちの息子・娘が羨望の眼で見られていた」と語るのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏(44)だ。1980年4月から1986年3月まで小学生時代を過ごした同氏が、当時の小学生とモノについて振り返る。

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 今の子供もそうなのかもしれませんが、当時は「あいつの家は金持ちだ」という言葉が学校でよく語られていました。『ドラえもん』に登場するスネ夫のような金持ちの息子がいて、そいつが新しいものを学校に持ってきては皆が羨ましがるのです。

 その時に重要だった要素の一つが「数字の多さ」です。筆箱に関しては布製でチャックがついたペンケースなんかを持っているとバカにされ、「両面式」は普通で2、3年生あたりになると「五面式」やら「十二面式」といった筆箱を自慢する者が出てきます。筆箱が分離したり、鉛筆削りがついていたり、とにかくスイスのアーミーナイフのごとき感じで多機能なわけです。十二面式を持っている子供は「ここも開くし、ここだって使えるんだぜ!」なんて自慢し「うわー、すげー!」と周囲は驚く。

 自転車も普通のママチャリに乗っているとダサくて、「スーパーカー自転車」がカッコ良かった。ライトはフロントに2つ、リアにもたくさんついていて、自動車のオートマチックギアのような5段変速機がついている。時々ママチャリで「弱・中・強」の3段変速機がついている型に乗っている子もいましたが「お前(「お」が強調される)のチャリンコよりもオレ(「オ」が強調される)のスーパーカー自転車の方がカッコイイ」と言われていました。

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