中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

昭和末期の小学生、筆箱・自転車・色鉛筆で実感した家庭の格差

 他にも「クーピー」やらクレヨンが「30色」などで、普通の子が12色なのに対して図工の時間に取り出すこれらのケースがとにかくデカい。「よっこいしょーいち!」とばかりに取り出しては「きんいろ」とか「ビリジアン」「ぐんじょういろ」みたいな12色には入っていない色を使って絵を描いていく。「ぐんじょういろ貸して……」とお願いする時の敗北感ったら……。

「そんなに羨ましいなら、〇〇君の家の子供になりなさい!」

 また、当時は公営のプールによく行っていたのですが、70円払って2時間たっぷり泳いだ後、プールに至る道にはいくつか屋台がありました。そこで人気だったのがフランクフルトソーセージ(150円)とアメリカンドッグ(100円)です。私はいつもアメリカンドッグだったのですが、「衣がついていない肉だけのが食べたい……」と時々思っていました。金持ちの家の子はフランクフルトをこれ見よがしに食べて「うまい!」なんて言っていたものです。

 こうした「子供マウンティング」は、「30円のアイスor 50円のアイスor 100円のアイス」、「ゲームウォッチの小さいヤツ(シルバー・ゴールド)orワイドスクリーンor 2面(あんまり金額は変わらないのですが…)」「ファミコンor ファミコン+ディスクシステム」みたいなところでも発生。

 子供達が家に帰った時の親へのおねだりの定番は「〇〇君は××を持ってるんだよ~。だから僕にも買って!」ですが、親からは必ずと言っていいほど「〇〇君家は〇〇くん家。そんなに〇〇君が羨ましいなら、〇〇君の家の子供になりなさい!」とピシリと言われ、欲望を抑えることを学ぶとともに、世の中には収入の多寡というものがあることを実感するのでした。

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