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住まい・不動産

地方移住は意外に高コスト スーパーは定価販売が当たり前

田舎暮らしは意外とお金がかかる(イメージ)

「定年後はマイホームを売却して、妻と2人で地方に移住するつもりです。田舎は生活費もかからず自然も豊か。ゴミゴミした都会とはおさらばですよ」(都内在住・58歳男性)

 老後の「田舎暮らし」への憧れは根強く、地方移住ブームともいわれる。だが、FPエージェンシー代表の横川由理氏は、「地方移住は意外とお金がかかる」と指摘する。

「まず地方に新居を購入する際に仲介手数料、税金、登記関連費用、引っ越し代などで物件価格の1割ほどの支出になります。地方都市でも駅近の中古マンションは2500万円ほどして、管理費や修繕積立費が毎月3万~4万円かかる。住宅ローンを組むと低金利とはいえ債務が発生します。私の試算では、移住しない場合と比べて1000万円以上出費が増えるケースも出てきています」

 生活費もかさむ。

「田舎暮らしには必須の車を150万円で購入し、10年で買い換えた場合、税金やガソリン代、保険代などで年間約15万円の出費となり、85歳まで20年続けば総額約600万円になる。地方は物価が安いといわれますが、地域に一軒しかないスーパーでは競争がなく定価販売が当たり前。安売り競争の盛んな都市部より2~3割も割高になることがあります」(横川氏)

 高齢になれば行動範囲が狭くなり、行政や病院、スーパーなどが近所にないと生活が成り立たない。一念発起して土地建物を購入しても、資産価値が下がって相続の際に子供が処分に困るケースも少なくない。

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