住み慣れた我が家でできる限り長く暮らしたいという思いがある一方、衰えを実感するにつれ、「施設」も選択肢に浮かんでくる。終の棲家をどう選ぶべきか。介護情報・終活のアドバイザーである横井孝治氏は、「まずは住んでいる物件を第一に考えるべき」と言う。
「大切なのはバリアフリーに対応しているかどうか。戸建ての場合は、バリアフリー化するのにいくらかかるか調べましょう」
健康状態もポイントだ。
「物忘れや徘徊など、認知症の問題行動が出る前なら自宅で過ごせる可能性が高い。要介護度で言うと、1か2のままでいられれば、自宅を終の棲家にすることも可能でしょう」(横井氏)
本人の年収が280万円未満、要介護2のケースならば、介護保険で受けられるサービスの上限は約20万円分。家族の負担を減らすため、通いのデイサービスや訪問看護などの介護サービスを活用しても、自己負担は2万円未満でまかなえることが多い。金銭的負担もさほど大きくないなら、自宅に居続けたいと思う人は多いだろう。