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大病院と小さな診療所 同じ病気・治療で安いのはどちらか

同じ病気、同じ治療で治療費を抑える方法は?

 医療費は「同一治療、同一費用」ではない。同じ病気で同じ治療を受けても、「病院の選び方」次第でかかる金額は大きく違ってくる。歳を重ねると罹りやすくなる糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病の場合、通院生活が長くなるため、特に病院選びが重要になる。

 生活習慣病の場合、大病院よりも通いやすい近所の小さなクリニックを受診するケースがほとんどだろう。が、医療費の点で見ると損している可能性がある。

「国は大病院を重大な病気の治療や研究に専念させるため、生活習慣病などの慢性疾患患者を小規模の医療機関が積極的に診るようなインセンティブを与えている。

 具体的には、200床未満の医療機関が生活習慣病患者を診ると、『特定疾患療養管理料(2か月目以降)』、薬の処方の際に『特定疾患処方管理加算』などが治療費として患者負担に加えられ、医療機関が潤うようになっている。特定疾患療養管理料は20床以上100床未満の病院で1回の診療につき441円、19床以下になると675円(ともに3割自己負担)も上乗せされる。治療費は『小さな診療所』が一番高くなるのです」(医師で医療ジャーナリストの森田豊氏)

 ではなぜ、多くの患者はわざわざ治療費の高い小さな診療所に行くのか。それは、大病院に行くとかかる“割り増し初診料”の問題があるからだ。

「大病院にかかるには、医師の紹介状がない限り初診の際に初診料とは別に『選定療養費』として5000円前後の費用がかかります。この4月からの診療報酬改定で選定療養費の対象病院が500床以上の大病院から400床以上の中規模病院まで拡大しました。これは、大病院に慢性疾患の患者が来ないように“ハードル”を上げ、患者を小規模病院に誘導しようとする仕組みです」(医療ジャーナリストの油井香代子氏)

 この“割り増し初診料”の5000円があるため、大病院にかかるのに二の足を踏みがちだ。

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